- Study&Work2023/02/27 19:13
ビーマップ、集合住宅向けWi-Fiサービス「ビーマップのアパートらくちん(楽賃)Wi-Fi『アパらくWi-Fi』」サービスを開始
ビーマップは、2021年に日本初となるTerragraphの実験場「ミリ波ラボ@柏の葉」を開設し、これまで実証実験を行ってきたが、今回、このミリ波技術を初めて賃貸用アパートに実装。集合住宅向けWi-Fiサービス「ビーマップのアパートらくちん(楽賃)Wi-Fi『アパらくWi-Fi』」サービスを開始した。サービスそのものは賃貸物件の大家さんに向けてのものだが、居住者にとっても今後は「インターネット無料」の物件というだけでなく、「アパらくWi-Fi」を導入しているかどうかが物件を選ぶ際の重要なポイントになりそうだ。
「アパらくWi-Fi」とは、同社が提供する集合住宅向けクラウド型Wi-Fiサービスのこと。従来の集合住宅向けWi-Fiサービスは物件ごとにインターネット回線が必要だった。しかし、ビーマップの「アパらくWi-Fi」は1つの回線を複数棟物件でシェアできるので大家さんにとって大変お得なのだという。Terragraph機器のミリ波を使えば、公道を挟んだ複数の建物のネット環境を1つの回線にまとめることができるとのこと。また、機器をクラウドから遠隔監視することで最高のパフォーマンスを提供。さらに、居住者向けIoTサービスの提供により高齢者も安心して生活できるので、まさにいいことずくめといえそうだ。
内閣府が昨年に発表したデータによると65歳以上のひとり暮らしは増加傾向にあり、実に女性の5人に1人がひとり暮らしだという。そんな、これからの高齢社会で注目を集めそうなのが「アパらくWi-Fi」のオプション「入居者見守りサービス」とのこと。これまでもWi-Fiを利用した、高齢者に対する見守りサービスはあったが、個人で導入するにはコストがネックだった。しかし「アパらくWi-Fi」は大家さんが導入するため、利用者が直接費用を負担することがないという。日本は今後、さらに高齢化が進む。これまでは単身の高齢者には物件を貸さないという方針の大家さんも少なくなかった。しかし、空室率上昇が続くなか、状況は確実に変わっていくという。今後、「見守りサービス」は賃貸物件の大きなアドバンテージとなり、「アパらくWi-Fi」の普及を後押ししていくことになると予想する。
情報通信研究機構NICTが発表した統計によると、2021年の高齢者(65歳以上)のインターネット利用率は53.4%にのぼる。「アパらくWi-Fi」では、簡単操作でオンラインショッピングができるオプションサービスの準備も進めている。スーパーやドラッグストア、コンビニ各社と連携し、スマホひとつで近隣店舗に注文できるため、買ったものを持ち運ぶのが困難な高齢者や移動、歩行が難しい人にもやさしく寄り添うサービスとなっている。
「アパらくWi-Fi」を支える「Terragraph」とは、米国Metaを中心に開発されたミリ波無線プラットフォーム。光ファイバーに匹敵する高速大容量ブロードバンドを無線で実現し、低価格で設置が簡単なため、IoT機器の接続に導入を考える企業や自治体からの問い合わせが増えているという。特に近年、監視カメラの需要が伸びていることから、屋外の無線インフラのスタンダードになっていくと見込まれている。超高周波60GHzの無線LAN規格IEEE802.11ayに対応。IEEE802.11ayは2021年7月に正式な規格が発行され、標準化が完了した。一般的にオフィスや家庭で使われているWi-Fi(2.4GHzや5GHz帯)の新規格として話題となった「Wi-Fi6」の10倍以上の通信速度を実現している。Wi-Fiというと電波干渉が気になるかもしれないが、60GHzという超高周波を使用しているため安定したネットワーク環境が整う。
現在は「アパらくWi-Fi」を展開しているが、IoTがもっと一般化する近い将来では、「低コストでインターネット&見守りサービス」という、このパッケージがWi-Fiの普及に貢献していくと考えられる。例えば病院や、老人ホームといった高齢者施設など、福祉介護業界での実装も大いに期待される。
ビーマップ 杉野文則社長は、「多種多様なモバイル端末へのコンテンツサプライを可能にするソフトウェア開発、サービスを提供する企業として1998年にビーマップを設立した。交通・流通・メディア・外食などさまざまな業界を結びつける、これまでにないサービスを続々と生み出す」とコメントしている。
[「アパらくWi-Fi」の基本プラン 概要]
アクセスポイント共用型
特長:共用部にアクセスポイントを置き、4部屋ごとに1台を共用するプラン
メリット:初期費用がゼロ円。月額の利用料も部屋数に準じたテーブル性になっており、例えば12部屋の場合、月の総額では1万6200円~、ひと部屋あたりだと1350円/月~となる
価格一例:
4~6部屋 初期費用0円:月額1万800円~
7~9部屋 初期費用0円:1万2600円~
10~12部屋 初期費用0円:1万6200円~
(すべて税別)
居室設置型
特徴:アクセスポイントを各部屋に設置するプラン
メリット:初期費用は33万円からだが、月額利用料が「アクセスポイント共用型」よりもリーズナブル。例えば、10部屋の場合7800円~。ひと部屋あたりだと780円~/月となる
価格一例:
4部屋 初期費用33万円:6600円~
8部屋 初期費用36万円:7400円~
10部屋 初期費用38万円:7800円~
(すべて税別)
ビーマップ=https://www.bemap.co.jp/