「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」が始動、京急川崎駅隣接エリアに新アリーナを含む複合エンターテインメント施設を2028年開業

左から:川崎ブレイブサンダースの篠山竜青選手、DeNA スポーツ事業本部 川崎拠点開発室 室長 兼 DeNA川崎ブレイブサンダースの元沢伸夫社長、DeNAの南場智子会長、京浜急行電鉄の川俣幸宏社長、DeNAの岡村信悟社長、川崎市の福田紀彦市長

ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)は、2028年10月に京急川崎駅隣接エリアにおいて約1万人が収容可能な新アリーナを含む複合エンターテインメント施設を開業することを目指し、「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」を始動する。3月3日に行われた新プロジェクト発表記者会見では、「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」を立ち上げた背景やプロジェクトの概要について説明した他、2028-29シーズンからホームアリーナとして使用するプロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」の篠山竜青選手が新アリーナへの期待を語った。

DeNAの南場智子会長

「当社は、スポーツ事業に参入して12年が経過するが、これまですべてのチームを神奈川県に集約させてきた。その中でも川崎は、未来性や発展性などに大きなポテンシャルを持っている点が魅力となっている」と、DeNAの南場智子会長が挨拶。「『川崎ブレイブサンダース』の新アリーナについては以前から検討を進めてきたが、今回、各方面から多くの協力を得て、素晴らしい立地で展開できる見通しとなった。この立地であれば、単なるアリーナを超え、複合エンターテイメント施設として、川崎から世界へ、躍動感と未来への希望を発信していけると確信している。そして、世界から川崎に多くの人々を呼び込み、川崎と世界を結びつけるプロジェクトにしていく」と、「川崎新!アリーシティ・プロジェクト」のスタートを高らかに宣言した。

京浜急行電鉄の川俣幸宏社長

続いて、京浜急行電鉄の川俣幸宏社長が挨拶した。「川崎は、JRの線路を中心に西側が先行して賑わっているが、京急川崎駅のある東側は出遅れていた感があり、何とかしなければと思っていた。その中で、京急川崎駅隣接エリアに開業する複合エンターテインメント施設は、駅周辺を活性化させる非常に強力なコンテンツになると期待している。また、それだけではなく川崎駅全体が大きく変わるチャンスでもあると考えている」と、新たに誕生する複合エンターテインメント施設には川崎駅を変革させる大きな可能性が秘められているのだと訴える。「京急川崎駅では、西口地区に再開発ビルを建設する『京急川崎駅西口地区第一種市街地再開発事業』を進めているが、同事業との連携についても検討を始めている。これによって、京急川崎駅を降りてそのまま非日常空間を通り抜け、複合エンターテインメント施設へとつながるような環境を整備していく」と、再開発ビルと連携し京急川崎駅から複合エンターテインメント施設までの直通ルートも計画していると述べていた。

川崎市の福田紀彦市長

次に、川崎市の福田紀彦市長が挨拶した。「川崎市は今年、東海道川崎宿ができて400年という大きな節目を迎えている。当時の川崎宿は、日本の最も重要な路線である東海道において、人・モノ・情報の核となっていた。今回、この節目の年に、川崎の文化、アート、スポーツなどさまざまな情報を国内外に発信する『川崎新!アリーナシティ・プロジェクト』が発表されたことは、川崎市の新しい幕開けにつながるものであると考えている」と、川崎市を次のステージへと押し上げるプロジェクトになるのだと力を込める。「DeNAに川崎市のポテンシャルを評価してもらい、京急川崎駅隣接エリアに複合エンターテインメント施設を開業するという夢のようなプロジェクトを決断してくれたことを光栄に思っている。民間主体のアリーナ施設は全国でも出てきているが、このプロジェクトでは、川崎市も一体となって基盤整備などを行い、川崎の魅力を最大限に発信できる環境を整えていく」と、川崎市としても全力でプロジェクトをサポートしていく考えを示した。

DeNAの岡村信悟社長

DeNAの岡村信悟社長は、同社のスポーツ事業の取り組みについて紹介した。「当社は、2011年にプロ野球チーム『横浜DeNAベイスターズ』の運営を開始し、スポーツ事業に参入した。その中で、球団と球場の一体運営でスタジアムを中心とした賑わいの拡大に取り組んできた。2018年には、川崎市のプロバスケットボールクラブ『川崎ブレイブサンダース』を東芝から承継。さらに、2021年からは相模原市のプロフットボールクラブ『SC相模原』の運営を開始している」と、神奈川県における3つの政令指定都市でプロスポーツを運営しているという。「当社のスポーツ事業では、『スポーツの力で“ひと”と“まち”を元気にする』ことを掲げている。スポーツの興行を通じて期待を超える観戦体験を提供し、スタジアムやアリーナ、周辺地域と一体化することで賑わいを作る。そして、その賑わいが地域の暮らしをさらに彩り豊かなものにし、新たなファンを生み、親から子へつながっていくという好循環を目指していく」と、スポーツ事業のビジョンを語った。

「3競技の事業運営によって得られた経営資源をもとに、グループ全体で喜びに満ちた街を作る『デライトフルシティ構想』を立ち上げ、今後は事業を多角化していく。街づくりの取り組みでは、横浜市旧市庁舎街区活用事業において、ライブビューイングアリーナとエデュテイメント施設を企画運営する。川崎市では、カワサキ文化会館や大型本格バスケコートの運営を開始している。また、ITを使ったサービスとして、横浜公園周辺で新たな賑わいづくりを目指す『BALLPARK FANTASIA』を展開している他、地域飲食店への送客のために関内エリア向け飲食店予約アプリ『Neee』を開発・提供している」と、スポーツ事業の領域を超えた取り組みにも力を注いでいると胸を張る。「そして今回、『デライトフルシティ構想』の一環として、新たに『川崎新!アリーナシティ・プロジェクト』が始動する。同プロジェクトでは、スポーツ、音楽、アート、ホテル、パーク、テクノロジーなど、さまざまな新しい川崎を発信し、地域住民をはじめ世界中の人々に喜んでもらえるような街づくりを京浜急行電鉄と川崎市と共に行っていく」と、3者が一体となって新プロジェクトを進めていくと意欲を見せた。。

DeNA スポーツ事業本部 川崎拠点開発室 室長 兼 DeNA川崎ブレイブサンダースの元沢伸夫社長

新プロジェクトの概要については、DeNA スポーツ事業本部 川崎拠点開発室 室長 兼 DeNA川崎ブレイブサンダースの元沢伸夫社長が説明した。「『川崎新!アリーナシティ・プロジェクト』は、複合エンターテインメント施設と新アリーナを含めた“アリーナシティ”を中心に、周辺地域の人々と一緒になってオール川崎で新しい街づくりをしていくプロジェクトとなる。新アリーナは、京急川崎駅に隣接し、品川、武蔵小杉、横浜、さらには羽田空港から約10分という好立地にあり、特にアジア地域の人々に多く訪れてもらいたいと考えている。そのために、ハード・ソフト共にアジアNo.1のコンテンツを提供していく」と、日本屈指のエンターテイメントシティが誕生するのだと力説する。「新アリーナは、DeNAと京浜急行電鉄が共同で開発し、DeNAが主体で運営をする民設民営の施設となる。Bリーグのシーズンに合わせて2028年10月の開業を予定している。約1万人を収容できるキャパシティを持ち、音響や演出機材、各種ビジョンなどは国内最先端の設備を搭載する。さらに、今までのスポーツ事業のノウハウを生かして、VIPサービスや多数の席種、飲食、物販などを展開し、『最高の1日』となるような体験価値を提供できる空間づくりを目指す」と、新アリーナの施設について詳しく解説した。

複合エンターテインメント施設のイメージイラスト

「新アリーナの活用法としては、川崎ブレイブサンダースのホームゲームをメインとしながら、試合以外の日は音楽のライブやダンスのイベント・大会、格闘技の大会、eスポーツの国際的なイベントなど、ありとあらゆるエンターテイメントを展開していく」とのこと。「複合エンターテインメント施設については、現時点の構想では、ホテルとフードホールを計画している。また、屋上庭園も含めてさまざまな場所に憩いの場となるパークを設置する。さらに、屋内外にふんだんにアートを盛り込んで、文化発信の場としていく。例えば、野外ステージでのミニライブやスケボーエリア、ダンスエリア、3×3エリアの設置、サブアリーナでの中継ライブなどを想定している。将来的には二次開発として、多摩川周辺の整備まで行い、ランニングやサイクリング、バーベキュー、カヌーが楽しめるようにしていきたい」と、複合エンターテインメント施設の展望についても発表した。

川崎ブレイブサンダースの篠山竜青選手

最後に、2028-29シーズンから新アリーナをホームアリーナとして使用する川崎ブレイブサンダースの篠山竜青選手が登場。「川崎にもアリーナができると聞いて本当に驚いた。この新アリーナは、ファンや観客に喜びを与えられる場所になるだけでなく、選手にとってもここでプレーすることに喜びを感じ、夢を叶える場所になると思っている。私自身、たくさんの観客の前で、かっこいい演出がある中でプレーするのが子どものころからの夢だった。新アリーナが誕生することで、夢が明確な目標となり、いつかこのユニフォームを着て、新アリーナでプレーをしたいという子どもたちが出てくることを楽しみにしている。これからも、たくさんの夢や希望、未来を与えられるように、クラブも選手もさらに発展・成長していくべく努力していく」と、新アリーナへの期待と抱負を語ってくれた。

DeNA=https://dena.com/jp/
京浜急行電鉄=https://www.keikyu.co.jp/
川崎市=https://www.city.kawasaki.jp/
川崎ブレイブサンダース=https://kawasaki-bravethunders.com/
川崎新!アリーナシティ・プロジェクト=https://kawasaki-arena-city.dena.com/


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