シチズン・システムズが体温計のパッケージをバガス紙へ変更、プラスチックの使用量を年間約14トン削減へ

 シチズン時計の連結子会社であるシチズン・システムズは、国内市場向け体温計のパッケージを従来のプラスチックと厚紙を使用したパッケージから、サトウキビを原材料とする「バガス紙」のパッケージに12月生産分から順次切り替えていく(一部を除く)。パッケージの最適化設計や環境に配慮した資源を利用することでプラスチック廃棄量およびCO2排出の削減に貢献し、循環型社会の実現を目指す。

 同社の体温計は従来、商品本体が見えるようプラスチックと厚紙を使用したパッケージだったが、森林伐採を伴わない「バガス紙」に変更することによって年間約14トンのプラスチック使用量を削減する(同社2021年度 国内出荷台数ベースで算出)。バガス紙使用のパッケージにはバガスマークを表示している(マークは五條製紙のバガスパルプが配合した紙を使用することで付けられるマーク)。

 「バガス」はサトウキビから砂糖を作る工程で不要となり廃棄されていた茎や葉などの搾りカスのこと。年間約12億トン生産されるサトウキビから約1億トン(乾燥重量換算)のバガスが発生する。その一部は別の用途で使用され、残りは廃棄されていたがバガスは植物繊維であるため、木材と同様に紙の原料であるパルプになる。このように、本来廃棄されている非木材資源を有効活用した環境配慮素材の「バガス紙」を採用した。

 さらに、パッケージ及び取扱説明書に使用するインクは、大気中で気体となる有機化合物の排出がほとんどない「植物油インク」を採用し、パッケージの表面仕上げには、リサイクル工程において阻害にならないものと区分されている「ニス」を採用する(日本印刷産業連合会が策定した印刷物資材「古紙リサイクル適正ランクリスト」規格)取扱説明書は「古紙再生紙」を採用し、廃棄物減量化にも貢献する。

 血圧計のパッケージは、パルプと古紙で作られているコートボール紙からリサイクル率が高い「段ボール」に変更する。また、血圧計は、繰り返し使える「ニッケル水素充電池に対応」したモデルを増やし、電池廃棄を削減する(パナソニック製ニッケル水素充電池エネループまたは充電式エボルタに対応。対応機種については取扱説明書または同社のホームページを確認)。

 シチズン・システムズは、今後も環境負荷に配慮した価値ある商品・サービスを提供する事業活動を通して、「ひと」と「地球」の健康づくりに貢献するものづくりを目指す考え。

[切替日]12月生産分から

シチズン・システムズ=https://csj.citizen.co.jp/


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