ハイケムの「エコプロ2022」ブース内でファッションインフルエンサー・MB氏を迎えて“捨ててもいい服”をテーマにトークショー

 ハイケムは、アパレル各社も強化している“脱プラスチック”、“サステナブルファッション”の取り組みに着目し、取り入れることでCO2削減につながる新素材「HIGHLACT(ハイラクト)」を開発した。同社は12月7日から9日に東京ビッグサイトで開催される「エコプロ2022」にブースを出展し、ハイラクトで出来た服の展示などを行っている。12月7日には、ブース内のプレゼンステージにおいて、YouTube登録者数39万人超のファッションインフルエンサー・MB氏が登壇。“捨ててもいい服”をテーマにトークショーを開催した。

 「洋服は“ロジック”で作れる。」を標榜する、メンズファッションインフルエンサーのMB氏。YouTube登録者数は39万人超で、「服を着るならこんなふうに」「最速でおしゃれに見せる方法」など200万部を超えるベストセラー作家でもある。ファッションバイヤー・ファッションアドバイザー・ファッションブロガー・作家という肩書をもつMB氏とハイケム サステナベーション本部長の高裕一取締役による“捨ててもいい服”をテーマにトークショーを行った。

 「服は環境に良くないといわれ続けている。その理由に、2割の売れ筋と8割の見せ筋商品で店舗が構成されているアパレル業界は、発売から3ヵ月経つと価格を下げ、その後売れるまで何度も価格を下げていく。それでも売れない場合は、廃棄してしまう」と、服は作って売れなかった場合は再利用せずに廃棄の道を辿るのだと説明する。「特に中価格帯の服を展開するアパレル企業のリサイクル意識は低い」と、海外ではあまり見られない中価格帯の服が日本には多いが、その企業たちはリサイクルという発想に乏しいと嘆く。

 「サスティナブルを意識しなければいけない流れの中で、僕のような肩書の者が旗振り役になっても効果は薄い。しかし、上流の人たちが音頭をとるとムーブメント化していく」と、MB氏は服を提供する企業が率先して行っていくことがサスティナブルの関心を高める近道なのだと持論を展開する。

 この話を受けて、高取締役は、「当社は環境によい素材としてトウモロコシに着目した。その背景には、トウモロコシでできているので、いらなくなったら捨ててしまえばよいという発想から成り立っている」と、服を送ったり、送られたりするだけでもCO2は発生してしまうが、ハイケムでは送る時以外にCO2を排出しないようにするためには、消費者自身が捨ててしまうことがベストであると考えたのだという。「しかし、捨てることに抵抗を示す人は多い」と、モノを大切にするように教育されてきた日本人にとって、捨てるという行動はハードルが高いのだと述べる。

 MB氏は、「サスティナブルは“かっこいい”という価値観を植え付け、美的センスにはめ込もうという動きが活発化していくとみられる。ハイケムの素材のように生地自体がサスティナブルということも“かっこいい”価値観を育てるために必要不可欠であると思っている」と、サスティナブルが“かっこいい”という価値への想像が求められる時代になっていくのではないかと語っていた。

 最後にMB氏が、トウモロコシ由来のPLA(ポリ乳酸)から生まれた新素材「ハイラクト」を使用した、来春発売予定のメンズアパレルを着用する高取締役のファッションをチェックした。

 PLA(ポリ乳酸)は、原料にトウモロコシなどのバイオマスを使用しているので植物の生育過程でCO2を吸収しており、焼却しても大気中のCO2は差し引きゼロになるカーボンニュートラルな素材となっている。また、一定の条件下で水と二酸化炭素に分解される生分解性を有しており、製品の使用後は自然に還る理想的なサイクルを実現できる。さらに、乳酸を原料とするため天然の抗菌性を有しており、近年繊維素材として注目を集めている。

 ハイラクトの原料であるPLA(ポリ乳酸)は、既存のプラスチックと比べると強度が低く、耐熱性も低いことから、これまで繊維には不向きの原料とされてきた。しかしハイケムはこれまで培ってきた化学分野での技術と、日本の伝統的な織物技術や染色技術の融合によって、ハイラクトの開発を実現したという。

ハイケム=https://highchem.co.jp/
新素材「HIGHLACT(ハイラクト)」公式サイト=https://highlact.com/


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