- Baby&Care2023/07/07 17:55
「こどもごちめし」運営のNPO法人Kids Future Passportを設立、子どもの孤食問題に持続可能な支援や参加企業・店舗を募集開始
地域の飲食店を起点に持続可能なこども支援を実現する「こどもごちめし」を運営するNPO法人Kids Future Passport(キッズ・フューチャー・パスポート)を設立した。今夏の本格始動を目指して、7月6日から「こどもごちめし」への寄付を募集開始。店舗の登録を開始した。同日に行われた発表会では、Gigiの今井了介代表取締役が、地域の飲食店を起点に子どもの居場所をつくり、街の未来を育む子ども食堂事業「こどもごちめし」の概要について説明した他、寄付や支援活動を推進していく活動についても発表した。
「Kids Future Passport設立の目的は、子どものために・未来のために、子どもと地域をつなぎ、支えることとしている」と今井代表。「日本の子どもを取り巻く環境として、子どもの7人に1人が貧困状態にある。日本の相対的貧困率は15.7%に達している。また、日本の一人親世帯の相対的貧困率は48.1%で、共働き世帯の増加、単身親や世帯構造の変化などによって、子どもの孤食が問題となっている。こうした問題に対し、政府は『子ども未来戦略方針』を先月発表したが、子どもに関する政策や支援の遅れを指摘する声も聞かれる」と、日本の子どもの7人に1人が貧困線を下回る生活下にあり、日本の相対的貧困率は先進国の中でも高く、データが提供されているOECD加盟国36ヵ国のうち、日本は8番目、G7で2番目であるという。「こうした問題を鑑み、地域住民や自治体が主体となり、無料または低価格帯で子どもたちに食事を提供するコミュニティの場として『子ども食堂』が全国で増加している。しかし、資金確保の継続に困っていたり、運営の人手が足りなかったり、毎日開催できないなど、継続した運営が難しい状況にある」と「子ども食堂」は増えてはいるものの課題も山積していると指摘する。
「そこで、Kids Future Passportでは、すべての子どもの健やかな成長を見守る持続可能な仕組みづくりをミッションに掲げ、子ども食堂のDX『こどもごちめし』を運営している。『こどもごちめし』は、飲食店を利用することによって、子ども食堂が直面する人手・資金・場所の問題をクリアし衛生面の心配も不要となる、運営を持続しやすい次世代型子ども食堂となっている。これまで『こどもごちめし』を運営してきたGigiのプラットフォームを活用してKids Future Passportが今後運営し、全国へ規模を拡大していく」と、「こどもごちめし」の仕組みについて解説する。
「さらに、『こどもごちめし』では、子どもの食事が地域活性化につながり、90%以上の寄付充当率で運営。継続的な子ども食堂を実現していく」とのこと。「『こどもごちめし』は、飲食店をこども食堂として利用することで人手・資金・場所の問題をクリアし、衛生面の心配も不要な、持続可能な次世代型子ども食堂となっている」と、子ども食堂が抱える課題を解決する仕組みになっているのだと強調。「子どもにとっては、見守り・子どもの居場所づくりや隠れ貧困・孤食対策、街の未来を育むことにつながる。飲食店とっては、売上向上につながり、導入に際して一切の費用負担なく、今あるお店のメニューで参加できる。支援企業にとっては、SDGs・CSR活動を通して地域での認知度・イメージアップにつながり、飲食店を通じた地域支援にもなる。寄付金の約90%が支援金に充当される」と「こどもごちめし」は、すべてのステークホルダーでWin-Winがつくれる仕組みになっているのだとアピールした。「利用対象者は、中学生までの児童・生徒(保護者同伴可)で、事前に身分証明書を登録(生年月の確認)してもらう。なお、生活保護受給者は食事回数を優遇する」と、子どもの食事を支えるものになっていると訴えた。
「『こどもごちめし』の登録方法は、まず保護者が『こどもごちめし』利用者登録を行う。次に、子どもの情報を登録する(一人ずつ個別の登録が必要)。これで利用者登録は完了。審査結果を確認する。審査OK後、利用可能となる」と登録方法はシンプルになっているとのこと。「『こどもごちめし』の使い方は、まず利用店舗を探し、利用メニューを選択する。利用する子どもを選択後、店舗に確認画面を見せる。これで利用手続きが完了する」と、自動決済サービスで会計を済ませたようなスマートな利用ができるようになっている。「『こどもごちめし』を個人が支援する場合は、まず支援先を選択する(全国・都道府県・自治体/活動)。金額・回数(一度/継続)・支払い方法を選択・確認。これで支援は完了となる」と手軽に支援できるのだという。「『こどもごちめし』を企業や自治体が支援する場合は、利用チケットの版面にロゴを掲出することで、企業は広告宣伝費から拠出可能。『こどもごちめし』のイベントのスポンサーとして支援することもできる。また、自社独自の子ども食堂を地域で展開することが可能となる。自治体単位で取り組みたい場合は、ふるさと納税や補助金を原資に運営が可能となっている。飲食チェーン企業や飲食店は、食事の提供や割引で支援することもできる」と、複数の支援プランを用意しているとのこと。
「『こどもごちめし』を通じた地域支援事例として、茨城県猿島郡境町は人口約2万4000人で2020年3月開始。全国で初めて『ふるさと納税』寄付金の使い道として『こどもごちめし』を支援した。その結果、ふるさと納税への寄付額は1億6535万500円(2023年3月末まで)に達し、提供食数は6万1195食(2020年4月~2023年3月末)となった」と自治体における支援事例を紹介。「今年5月から開始した伏見こども京育食堂では、京セラ・京都文教大・地域の商店街と連携し、食事の提供、子どもの見守り、学生ボランティアによる学習支援、精神的なサポートなどを地域で行う取り組みが行われている」と民・学による支援事例を発表した。「イベントのスポンサーとして支援する取り組みとして、サンロッカーズ渋谷(プロバスケットボールリーグB.LEAGUE)が2022-23シーズンのオフィシャルパートナー契約を締結。認知活動の一環として、一部座席・バナー・ビジョンへのロゴ掲示や、子ども向けイベントを共同開催する予定となっている」と様々な支援プランについて説明した。「また、『こどもごちめし』を応援してくれるアンバサダーに就任してもらった」と、多方面の業種・業界の人たちに賛同してもらっているという。
「店舗の『こどもごちめし』参加方法については、GOCHIプラットフォーム加盟店は管理画面にログインし『こどもごちめし』ボタンをONにする。GOCHIプラットフォーム未加盟店はGOCHIプラットフォームにアカウントを登録する」と参加できるとのこと。「今後は『こどもごちめし』関連イベントやプロジェクト、協業などを推進し、子どものために・未来のために、子どもと地域をつなぎ、支える活動を継続して行っていく」と、すべての子どもの健やかな成長を見守る持続可能な仕組みで隠れ貧困や子どもの孤食問題の解決を目指していく考えを示した。
Kids Future Passport(キッズ・フューチャー・パスポート)=https://kids-future-passport.org/
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