タンパク質はどうやって作られる? 設計図であるDNAからタンパク質ができるまで

タンパク質は私たちの臓器、筋肉、血液、皮膚、抗体、酵素、ホルモンなど生命を維持するために重要な組織をつくっています。つまり、私たちの身体にとってタンパク質は必要不可欠なものといえます。では、タンパク質は、体内でどのように作られているのでしょうか。

私たちのタンパク質は、20種類のアミノ酸で構成され、遺伝情報を基に約10万種類がつくられています。タンパク質は身体の約20%を占めており、水に次いで多い物質となります。アミノ酸が2~50個程度結合したものをペプチド、それ以上結合したものをタンパク質と呼んでいます。食べ物から摂取したタンパク質は、アミノ酸まで分解され小腸で吸収されます。その後、アミノ酸は人体の形成において必要なタンパク質を合成するための材料となります。まずは、食事から吸収したアミノ酸がどのようにしてタンパク質になるのかをみていきましょう。

タンパク質をつくるための遺伝情報は、細胞の核にあります。そして、この核の中にあるDNAがタンパク質の設計図となります。DNAは、2重らせん構造をしており、それぞれの鎖はアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種類の塩基と呼ばれるものがつながって構成されています。アデニンはチミン、シトシンはグアニンとペアを組むため、向かい合う2本の鎖はペアを組めるよう塩基が並び、はしごのようになっています。

タンパク質の設計図であるDNAは核の中に存在する一方で、タンパク質の合成を担うリボソームは核の外にあります。しかし、DNAは大切な遺伝情報を含んでいるため、核の外に出すことはできません。そのため、RNAというDNAのコピーをつくります。このことを「転写」といいます。RNAは核の外に出ることができるため、リボソームに向かいます。RNAがリボソームに到着すると、RNAの情報を基にタンパク質がつくられます。このことを「翻訳」といいます。

DNAのコピーをつくる際には、遺伝情報の中からつくりたいタンパク質の情報のみを選びます。これによって、筋肉があるところには新しい筋肉を構成する「アクチン」「ミオシン」、皮膚があるところには新しい皮膚を構成する「コラーゲン」といったその場に適したタンパク質をつくることができるのです。DNAのうち、つくりたいタンパク質の情報があるところから2重らせんをほどきます、そして、ほどいたDNAの1本をもとにしてRNAがつくられていきます。RNAはつくりたいタンパク質の情報だけが載っている設計図で、DNAとは違い1本です。

核から出たRNAは、タンパク質の合成が行われるリボソームに到着します。RNAは4種類の塩基で構成されており、並んでいる塩基3つを1セットにしたものをコドンと呼んでいます。このコドンは暗号のようになっており、解読するとつくりたいタンパク質に必要なアミノ酸が何であるかがわかるようになっています。そのため、コドンの塩基の並び方によって、運ばれてくるアミノ酸が異なります。

このアミノ酸こそが、私たちが食べて吸収されたアミノ酸や体内のタンパク質を分解してできたアミノ酸です。このように、RNAの設計図に合ったアミノ酸が次々と運ばれ、そのアミノ酸同士が結合しペプチドとなり、最終的にタンパク質が完成するのです。(監修:健康管理士一般指導員)


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