人間が汗をかくのはなぜ? 気温や環境に応じて体温を調節する優れた機能

私たちは、暑いときや緊張したとき、辛いものを食べときなど、顔や体から汗がじわっと出てきます。そんな汗には、人間が生きるために重要な役割があります。それは体温調節です。気温が低い時は、真皮の中にある立毛筋が収縮して、毛穴や汗腺の穴がふさがります。このとき皮膚に出てくるのが鳥肌で、身体の表面の穴を閉じることで体から熱が逃げるのを防ぎます。同時に、顔色が青白くなりますが、これは血管が縮むと皮膚の赤みが失われることが原因とされています。

反対に、気温が高い時は、汗腺から汗が出て皮膚の表面を濡らします、汗が蒸発するときに体から熱を奪い、体温が上がりすぎるのを防ぎます。同時に、皮膚の表面近くの血管が膨張し、血管からの体温を逃がして体温を一定に保とうとします。暑い時に肌が赤みを帯びるのはこれが原因です。

このように、汗は体温のコントロールに大きな役割を果たしています。しかし、こうした働きは自発的に皮膚が行っているのではなく、脳の視床下部にある体温調節中枢の指令によるものです。体が気温の変化を感じると、その情報は、神経を通じて体温中枢神経に伝達されます。そうすると、体温中枢から自律神経を通じて、「汗を出すように」や「毛穴を閉じるように」などの指令が出て、皮膚が動くとのこと。そのため、自律神経失調症になると、発汗に異常が生じ、体温調節がうまくいかなくなることがあるそうです。

ちなみに、犬の場合は、肉球にしか汗腺がなく、発汗による体温調節ができないので暑さが苦手とされています。犬は汗をかく代わりに、だらりと舌を出して激しく呼吸することで、唾液を蒸発させて熱を体の外に放出します。土に穴を掘って体を埋めたり、ひんやりした床やコンクリートの上に腹ばいになったりするのも、腹部を冷やして、体温を下げようという暑さ対策です。また、豚は泥遊びをして体を濡らし、それを蒸発させることで体温調節をしています。

しかし、どちらもあまり効率は良いとはいえません。これに対して、発汗することで体温を調節するという人間の仕組みは、とても効率の良いものです。人間は、環境に合わせて、自分の体を守るために汗をかくという優れた機能を持っているのです。(監修:健康管理士一般指導員)


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