- マイライフストーリー2024/02/27 19:56
毎日の食卓でできる花粉症対策!EPAを味方につけてオリーブオイルでアレルギー反応を軽減
花粉症への対策はできていますか?体調管理のためには、毎日口にする食材の質を選ぶことが大切だ。花粉症などのアレルギーに「これさえ食べれば予防できる」という便利な食品は、残念ながら見当たらない。しかし毎日の食生活、特に食事づくりに欠かせない「調理油」の種類に気を配ることで、家族の健康管理を行うことができるのだという。
「オリーブオイル健康ラボ」では、花粉の時期に向けた季節のおすすめ情報コラムを公開したので紹介しよう。
花粉症は花粉が抗原となって抗体が産生され、その抗原抗体反応が過剰に起こるアレルギーと呼ばれる現象。このアレルギー反応は腫れや炎症を引き起こし、鼻汁、鼻閉、結膜炎、さらに重症になれば気管支ぜんそくの誘因にもなるとのこと。
ふだんの生活の中で、花粉症のアレルギー症状を軽減できる対策があるという。それは、イワシ(鰯)、サバ(鯖)といった「背の青い魚」を上手に、有効に摂ることだとか。
これらの魚の油には、EPA(エイコサペンタエン酸)に代表されるオメガ3系の多価不飽和脂肪酸を多く含有し、動脈硬化に基づく心筋梗塞、脳梗塞を予防する効果があることはよく知られている。実はその他にも、オメガ3系の油をリノール酸に代表されるオメガ6系の油に比べてより多く摂取すると多価不飽和脂肪酸のオメガ6に対する摂取比率が高くなりアレルギー反応にともなう症状が軽減する。
具体的には、背の青い魚をオリーブオイルと共に摂取するとそれが可能になるのだとか。
ここで大切なのは、オメガ3系の脂肪酸もオメガ6系の脂肪酸も、食物中からどれくらい摂るかによって、細胞膜の組成におけるオメガ3とオメガ6の比率が決まること。オメガ3系のエイコサペンタエン酸、オメガ6系のアラキドン酸から、それぞれ反対の生理作用を持つ生理活性物質プロスタグランディン(PG)、トロンボキサン(TX)、そしてロイコトリエン(LT)ができる。
オメガ6からできるロイコトリエンのB4はアレルギー反応を引き起こし、オメガ3からできるB5はアレルギー・炎症反応を鎮めるように働く。従って、アレルギー症状を鎮めたいなら、オメガ3系の脂肪酸をより多く摂取すると良いのだとか。
一般に、日本食ではEPAを多く含む背の青い魚(イワシ、サバなど)をよく食べることから、多価不飽和脂肪酸の摂取はオメガ3系優位になっているといわれているが、現在、わが国で調理油によく使われている植物油はリノール酸を多く含み、オメガ6優位になりがちだという。しかもオメガ3系の食用油は加熱に弱く、調理用の油にオメガ3系を使用することはできない。つまりせっかく背の青い魚を調理しても、リノール酸を多く含むゴマ油、サラダ油を使うと、必然的にオメガ3に対してオメガ6の摂取比率が高くなり、アレルギー反応が高まってしまうのだとか。
その点、オリーブオイルの油脂の脂肪酸はオメガ9系のオレイン酸がその成分の75%を占めているためオメガ3、オメガ6比には影響は少なく、青魚のオメガ3系脂肪酸の働きを活かすことができるのだという。
また、オレイン酸は不飽和脂肪酸ではあるが分子構成上、二重結合が一つだけのため、二重結合が二つ以上ある多価不飽和脂肪酸と比べて酸化はされにくく、加熱による物理化学的変化が少なく、酸化現象が起こりにくいとのこと。加熱によって煙が出る温度(煙点)も、多価不飽和脂肪酸の含有量の多い植物油に比べて高く、オリーブオイルは加熱による変化を受けにくい、安定した調理油だといえる。
花粉症などのアレルギーから家族を守る食卓に有効な食材、そして調理法は一体何なのだろうか? 食と健康の関係に詳しいオリーヴァ内科クリニック院長 横山淳一先生に聞いた。
青魚をコーティングして酸化から守る「イワシのマリネ」。三枚におろした新鮮なイワシをワインビネガーで作ったマリネ液に浸しておく。エキストラバージンオイル、ニンニク、イタリアンパセリで覆い、一緒に戴く。
また、手軽でコスパのよい缶詰でもOKな「オイルサーディンのスパゲッティ」。エキストラバージンオイル、ニンニク、赤トウガラシをフライパンにのせ、ニンニクがキツネ色になるまで弱火で加熱。茹で上がったスパゲッティをオイルサーディンと一緒のタイミングでフライパンに入れる。茹で湯を適量入れ、油を乳化させながらさらに加熱。火を止め最後にみじん切りしたイタリアンパセリをたっぷりかける。
オリーブオイルを使ってソテーをしたりするときのコツは、低温調理、コールドスタート。煙が出るまで熱するのは食材のうまみを損い、体にもよくない。加熱調理に使え、食材のオメガ3脂肪酸の働きを活かせるエクストラバージンオリーブオイルは、毎日の食卓で家族の花粉症対策ができる、最強の調理油といえるだろうと語っていた。