- Health&Medical2022/10/14 21:42
明治がヨーグルト新時代を切り拓く2つの研究成果を発表、千原ジュニアさんと朝日奈央さんがヨーグルトEPSと腸管バリアについて学ぶ
明治は、消費者の「健康な食生活」に貢献し続けるべく、ヨーグルト(乳酸菌)が人の腸内細菌や健康に及ぼす影響について、日々、研究開発を行っている。今回、“meiji New Action 002”明治が切り拓く「ヨーグルト新時代」と題して、「ヨーグルトEPSによる免疫力向上/栄養素吸収促進」と「ヨーグルト乳酸菌による腸管バリア増強作用」の2つの研究成果を発表するイベントを、10月4日にハイブリッド形式で開催した。イベントには、お笑い芸人の千原ジュニアさんとタレントの朝日奈央さんがゲスト登壇し、ヨーグルト新時代を切り拓く新たな研究成果について学んだ。
「現在、社会全体が直面している新型コロナウイルス感染症など、人間をとりまく未知なる脅威に対して、改めて『いつでも健康で元気でいること』が大切ではないかと近年、強く感じている。当社は、ヨーグルトで人々の生活充実に貢献し、今ではヨーグルトが健康をサポートする食品として広く根付いてきた」と、明治の松田克也社長が挨拶。「今回、明治は、“ヨーグルト新時代”を切り拓くことを宣言する。このヨーグルト新時代の幕開けを象徴する2つの研究成果が、『ヨーグルトEPSの新機能』と『乳酸菌による腸管バリア増強作用』となる。これらの発表は、当社が取り組んでいる、ヨーグルトの研究成果のごく一部を紹介したに過ぎない。今後も、明治のヨーグルトに対する研究に期待してほしい」と、ヨーグルト新時代の幕開けを高らかに宣言した。
イベントの第1部では、「ヨーグルトに含まれる乳酸菌が産生する成分EPSと免疫」について、順天堂大学大学院医学研究科 研究基盤センター細胞機能研究室 准教授の竹田和由先生と、一般生活者代表として千原ジュニアさん、朝日奈央さんを招き、トークセッションを通じて解説した。
まず、「ヨーグルトEPS」という言葉の由来について松田社長は、「『EPS』という成分は、さまざまな食品でも産生されるもの。その中で、ヨーグルトの発酵過程で乳酸菌から産生される成分を『ヨーグルトEPS』と名付けた」と紹介。これに竹田先生は、「EPSとは、Exo(外部の)poly(多数の)saccharide(糖)の略で、乳酸菌などの微生物が、発酵過程で菌体の外に作り出す『多糖』のこと。乳酸菌の発酵から生まれた成分だからこそ、自然免疫や獲得免疫など健康に寄与する効果が期待されている。『自然免疫』は町のおまわりさんのようにカラダの中を日々パトロールしてくれていて、『獲得免疫』は、いざという時に出動する特殊部隊みたいなイメージをもってもらえればと思う」と解説してくれた。
ジュニアさんは、「ヨーグルトは乳酸菌のイメージが強かったが、そこに新しいEPSという存在がいることわかった。カラダの中におまわりさんと特殊部隊がいることにも驚いた」と反応。朝日さんも、「カラダの中で、日々、刑事ドラマが繰り広げられているみたい」と、体内での免疫の働きをイメージしていた。
竹田先生は、「今回、明治が発表した乳酸菌1073R-1株が生み出すEPSは、免疫細胞にとっては『パワーを与える食事』『免疫細胞のパワーフード』というような存在で、摂取することで、免疫が活性化される、つまり元気になるということになる」と、乳酸菌1073R-1株が生み出すヨーグルトEPSは、「自然免疫」と「獲得免疫」の両方に働きかけて活性化してくれるのだと説明した。ジュニアさんが、「乳酸菌1073R-1株を含む明治ヨーグルトをたくさん食べたほうがいいのか」と質問すると、竹田先生は、「1日1カップでも十分。そのうえで、毎日継続して、1週間、2週間と食べることが大切になる」と、継続して摂取することが重要であると教えてくれた。朝日さんは、「明治ヨーグルトが大好きで、おいしいので、これからも毎日しっかり食べていこうと思う」と、免疫力アップのために継続して明治ヨーグルトを食べていくと話していた。
なお、トークセッションの中では、人類の健康に貢献する数々の輝かしい実績をあげている研究機関・仏パスツール研究所で免疫学部門長を務め、世界的な権威であるジェラール・エベール教授のビデオレターも放映された。
イベント後の質問で、竹田先生に、ヨーグルトEPSはなぜ免疫細胞を活性化できるのかを聞くと、「1073R-1乳酸菌をはじめとするブルガリア菌が産生するEPSには、ある特徴的な構造(グリセロール3リン酸)があることがわかっている。この部位を免疫細胞が認識して、活性化シグナルが入るようだ。すでに、その受容体の候補も見つけられている」と解説してくれた。また、ヨーグルトと組み合わせて、免疫力を高められる食品については、「ヨーグルトには、EPSのような代謝物と乳酸菌本体が含まれている。これらの直接的な効果に加え、間接的には腸内環境の改善効果があり、これも免疫力を高める効果があるので、食物繊維やオリゴ糖など腸内環境を改善するプレバイオティクスと呼ばれるような物と組み合わせるのが、効果的だと考えている」と教えてくれた。「ヨーグルトEPSは、インフルエンザのワクチンの効果を上げることもわかっているので、新型コロナワクチン等の他のワクチンの効果の増強(その個人での効果を上げるand/or効果のある人の割合を増やす)や、高齢者や子どもなどワクチン効果の低い人でのワクチンの効果を上げるなどが期待される」と、ヨーグルトEPSによる免疫活性作用への今後の期待を語った。
次に、京都大学大学院 農学研究科 教授の菅原達也先生が、「ヨーグルトに含まれる乳酸菌が産生する成分EPSと野菜の栄養素吸収」について、ジュニアさん、朝日さんとのトークセッションを通じて解説した。
「野菜には、食物繊維やビタミン、ミネラルだけではなく、カロテノイドが含まれている。たとえば、にんじんにはβカロテンが豊富に含まれているが、生で食べると、そのβカロテンは体内で10%しか吸収されない」と、生野菜からはカロテノイドがほとんど摂取できないのだと指摘する菅原先生。これを聞いた朝日さんは、「生だと栄養を取り逃していることになる。油で炒めるのも美味しいけれど、カロリーが気になる」と、頭を悩ませている様子。
そんな朝日さんに松田社長は、「実は明治の研究の中で、無脂肪ヨーグルトと一緒に野菜を摂取すると、こうした栄養素が生野菜に比べて1.7倍から6.5倍も吸収できることがわかった。ヨーグルトEPSと乳たんぱく質が、吸収率のアップに貢献している」と、ヨーグルトEPSには、カロテノイドの吸収促進作用があることも明らかになっていると紹介した。朝日さんは、「すごい。これからは『サラダとヨーグルト』を、合言葉にしていく」と、笑顔を見せていた。ジュニアさんも、「ヨーグルトは、ドレッシングのような感覚で食べたい。ヨーグルトEPSは『カラダの救世主』だと思う」と、明治が見出したヨーグルトEPSの新たな機能に驚きの表情を浮かべていた。
イベント後の質問で、菅原先生に、ヨーグルトEPSと相性のよい野菜について聞いてみると、「カロテノイドを多く含む野菜、特に、にんじん(βカロテン、αカロテン)、トマト(リコピン)、ほうれんそう(ルテイン)などと相性がよい」とのこと。「こうした野菜とヨーグルトEPSを同時に摂取すると効果が高まる。具体的な食べ方として、野菜サラダなどと一緒に飲むヨーグルトを摂る、ヨーグルトを野菜サラダのドレッシングとして使う、ヨーグルトと野菜ジュース(野菜)を組み合わせた野菜スムージーを摂るなどが挙げられる」と、ヨーグルトEPSの効果を高める野菜の食べ方についても教えてくれた。
ヨーグルトEPSと一緒に摂ることで野菜の摂取量を少なくできるのかと聞くと、「野菜には、カロテノイドの他、食物繊維など様々な栄養成分も多く含まれている。そのため、できれば摂取量を減らさず1日当たり350g(厚生労働省の推奨量)を目安に摂取してほしい。そのうえで、ヨーグルトEPSと一緒に食べ、カロテノイドをしっかり吸収することが重要になる」と述べていた。今後の期待については、「乳酸菌によってEPSが異なり、その作用は多種多様であると考えている。今回の野菜の栄養素吸収をサポートする乳酸菌は、明治独自の約6000株の乳酸菌ライブラリーから、ヨーグルトEPS産生量などの観点から選抜したもの。今後は、ヨーグルトEPSの質や量が栄養素吸収促進にどのように寄与しているのか、カロテノイド以外の他の栄養素に対する効果やそのメカニズムが解明されることが期待される」との考えを示した。
イベント後半では、慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 教授の伊藤裕先生が、「腸管バリア機能の重要性とそのメカニズム」について、ジュニアさん、朝日さんとのトークセッションを通じて解説した。
「『腸』を守るカラダのメカニズムが『腸管バリア』であり、良いものだけを体内に通し、悪いものをバリアするという機能がある」と、伊藤先生が腸管バリアについて説明。朝日さんが、「なぜ、悪い物質だけをバリアできるのか」と聞くと、「腸の内壁は粘膜に覆われていて、必要なものを取り込み、不要なものは取り込まないという機能を持っており、そのメカニズムに作用している。腸管バリアは、身体にとって悪い腸内細菌を認識してキャッチできる。そのシグナルをアラートで出して、腸管の壁にあるタイトジャンクションという粘膜を引き締める。さらに免疫にも司令を出して、悪い細菌などをアタックしてくれる。こうした明治の研究成果は、医学会でも注目を集めている」と、腸管バリアのメカニズムを教えてくれた。
朝日さんは、「腸管バリアは、必要なものだけを吸収して、不要なものを取り込まない『フィルター』みたいな効果があることがわかった」と納得した様子。ジュニアさんは、「コロナ対策で毎日つけているマスクみたいなもの。その意味で腸管バリアは、『お腹のマスク』なのかも。酸素は通すけれど、ウイルスは通さないみたいな」と感想を述べていた。
これを聞いた松田社長は、「『お腹のマスク』という表現は、わかりやすい表現だと思う。新型コロナウイルス感染症が収束し、街でマスクをする人の姿がなくなっても、明治のヨーグルトで『お腹のマスク』だけは末永く続けてほしい」と、今回の研究成果を踏まえて、今後もヨーグルトを通じて人々の健康的な食生活に貢献していくと意欲を見せていた。