富士経済、住宅設備・建材の国内市場の調査、2040年度の市場予測は住宅設備・建材が3兆9804億円で断熱材が2572億円に

総合マーケティングビジネスの富士経済は、新築住宅の着工戸数の減少から既築向けの製品強化が進んでいるほか、住宅の省エネ性能を高める製品などが好調な住宅設備・建材の国内市場を調査した。その結果を「住宅設備・建材市場トレンドデータ便覧2024」にまとめた。2040年度市場予測では、住宅設備・建材が人口減少や新築住宅の着工戸数の減少によって新築向けを中心に縮小、既築向けが半数超えることから3兆9804億円を見込む。断熱材は、省エネ基準適合の義務化が追い風。断熱等性能等級6以上での展開視野にメーカー同士の協業もみられ2572億円と予測する。

この調査では、住宅設備15品目、建材14品目、計29品目について、新築向け・既築向けの需要別市場や流通ルートの特性、市場環境の変化に伴うサプライチェーン、販売手法、プロモーションの変化などを捉えた。

住宅設備・建材の国内市場は、2024年度の住宅設備・建材の市場は4兆429億円が見込まれる。2022年度以降各社で価格改定が相次いでいることや、住宅設備メーカーを中心に既築向けに中・高級品の展開強化を図っていること、カーボンニュートラル社会の実現に向けた補助金制度や規制強化によって省エネ性の高い、高価格品の需要が伸びていることもあり、市場は拡大するとみられる。

住宅設備では、水廻り設備や水廻り関連機器分野を中心に、既築向けで中・高級品が好調である。また、エコキュートや住宅用太陽光発電システムなど省エネ性の高い製品が伸びており、今後も新築・既築向けともに導入が進むと予想される。建材では、断熱材は規制強化によって需要が高まり、サッシは複合サッシが補助金制度を追い風に堅調に伸びるとみられる。

将来的には、人口減少や単身世帯の増加に伴う持家需要の低下などによって、新築住宅の着工戸数が減少し、市場縮小が予想される。需要別では新築向けが減少し、2040年度には既築向けが半数を超えるとみられる。カテゴリー別では、住宅設備はメーカーが中・高級品の拡充による単価アップやリフォーム需要の開拓などを進めており、2030年度頃までは堅調な伸びが予想される。建材は新築向けの需要が高いことから2025年度以降縮小に転じ、メーカーでは木造住宅の経験を強みとした木造建築など、非住宅事業への注力、一部メーカーが既に進出している海外市場への参入などの動きがより顕著になっていくと予想される。

断熱材は、繊維系と発泡系の二種に分けられ、繊維系は安価ながら高性能で長年の採用実績があるグラスウールとマット状の製品が多いロックウールに、発泡系は床で多く使用される押出発泡ポリスチレンと施工性に優れる硬質ウレタンフォーム、断熱性が非常に高く壁や床などで使用されるフェノールフォームを対象とする。2025年度以降、全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務付けられ、2025年度には断熱等性能等級4以上が基準となり、2030年度には断熱等性能等級5以上へ引き上げられる予定である。適合義務化に伴い、厚みがあり高性能な製品の需要が高まっているほか、住宅一戸当たりの使用量が増していることから、市場が拡大するとみられる。基準が引き上げられる2030年度頃までは、省エネ基準適合の義務化が追い風となり、市場は順調な伸びが予想されるが、新築向けが中心のため新築住宅の着工戸数の減少により伸びは鈍化していくとみられる。また、大規模工事を伴うことから既築向けの獲得が課題となっている。なお、断熱等性能等級6以上では、繊維系、発泡系を組み合わせて施工するケースも増えており、断熱材メーカー同士が協業する動きもみられる。

水廻り関連機器は、ビルトインコンロ、レンジフード、食器洗浄乾燥機、浄水器、浴室暖房乾燥機、家庭用給湯器を対象とした。ビルトインコンロと家庭用給湯器が市場の中心であり、家庭用給湯器に含まれるエコキュートが、補助金などカーボンニュートラル社会の実現に向けた政策が追い風となり、今後も市場は堅調な推移が予想される。共働き世帯による時短ニーズなどがみられることで、家事負担を軽減できる製品の開発が進んでいる。中でも、食器洗浄乾燥機は世帯普及率が年々上昇しており、緩やかに伸びるとみられる。システムキッチンとセットで導入されるビルトインコンロや食器洗浄乾燥機、浄水器、レンジフードは、新築住宅の着工戸数の増減に影響を受けやすい。しかし、既築向けで安定的な交換需要があることや、機能が充実している高級品の需要が高まっていることから、新築向けの減少を補うかたちで市場は拡大するとみられる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2024年3月~6月
[小売価格]
書籍版:18万7000円
書籍/PDF版セット:22万円
書籍/PDF+データ版セット(全体編):24万2000円
ネットワークパッケージ版:37万4000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp


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