女性と高齢者は便秘になりやすい？ 運動で腸を刺激して動きを活発に

みなさんの中には、便秘で悩んでいる人も少なくないと思います。特に女性は、男性よりも便秘になりやすいといわれています。その理由の1つとして、女性は男性に比べて筋力が弱いことが挙げられます。腹筋や横隔膜など、排便時に必要な筋力が弱いために、便をしっかり押し出すことができず、便秘になってしまうのです。高齢者に便秘が多いのも同じ理由で、加齢と共に筋力が低下するためだと考えられています。

もう1つの理由は、女性ホルモンの影響です。排卵後に多く分泌されるプロゲステロンとう女性ホルモン（黄体ホルモン）は、子宮の筋肉を収縮させる蠕動運動を抑える作用を持っています。そのため、便をスムーズに運ぶことができず、便秘が起こってきます。また、プロゲステロンには体内に水分を溜め込む作用もあるため、便が硬くなり、さらに便通が悪くなってしまいます。

このほかに、食事量が少ない、運動不足なども、女性と高齢者の共通する便秘の原因とされています。そこで今回、便秘を解消する方法としておすすめしたいのが運動です。運動をすることで食欲が増し、食事もおいしく食べられるようになります。同時に腸の動きが活発になり、腸を刺激して排便を促したりする効果もあります。これらは、腸をきれいにし、がんの抑制にもつながります。さらに、血行がよくなって新陳代謝が活発になり、免疫力アップにも期待できます。

便秘解消のための運動のポイントとしては、腹筋を鍛えることです。排便時には腹筋を使います。腹筋が弱いと十分な腹圧がかけられないため、便が出にくくなり、便秘がちになってしまいます。腹筋運動をすると、腸が刺激されて蠕動運動も活発になり、便意も起きやすくなります。また、全身を使う有酸素運動を日常的に取り入れて、運動量を増やすことも効果的です。時間がない時でも、駅などで階段を利用したり、家の中で階段の昇り降りをしたりして、足腰の筋力アップを図りましょう。（監修：健康管理士一般指導員）