喉にある「扁桃」は取っても大丈夫? 扁桃炎を繰り返している人は発熱や病原菌感染のリスク低減

扁桃は、以前は分泌腺と考えられていたため「扁桃腺」と呼ばれていました。しかし、実際には咽頭に存在するリンパ組織を主体とする器官であり、分泌腺ではないため、正しくは「扁桃」といいます。扁桃は強力な免疫機能を持っており、通常は細菌やウイルスなどの病原体を排除する役割を担います。一方で、過労やストレス、喉の衛生状態の悪化などによって免疫機能が低下すると、扁桃に細菌やウイルスが感染し、炎症を引き起こします。これを急性扁桃炎といい、扁桃が赤く腫れ、表面に白い膿が付いたようになり、痛みや発熱がともないます。

扁桃は、細菌の侵入口である上に、表面に陰窩と呼ばれるゴマ粒から米粒くらいの穴がたくさんあるため、細菌の巣になりやすく、本来感染を防ぐ役割を果たしているにも関わらず、かえって感染源になってしまうリスクがあります。扁桃に病原菌が常在していると、疲労のために体の抵抗力が弱ったときや、新たに細菌の侵入があったときなどに病原菌が増殖して、繰り返し扁桃炎を起こしたり、慢性的に扁桃炎が続いたりするそうです。

扁桃炎を繰り返していると、やがて病原菌が全身に影響を及ぼす場合もあるため注意が必要です。そのような場合には、扁桃を切除することが勧められています。扁桃炎の「年間罹患回数×持続期間(年数)」が8以上であれば、扁桃摘出術を行ったほうが予後がよいといわれています。

扁桃は、免疫にかかわる器官であるため、摘出することによる免疫力の低下が心配されますが、扁桃炎を繰り返している人は、扁桃自身が持つ免疫力が低下しているため、取ったからといって全身の免疫力が低下して風邪をひきやすくなることはないとのこと。切除したほうが発熱を繰り返すことがなくなり、全身への病原菌感染のリスクもなくなるというメリットが期待できます。(監修:健康管理士一般指導員)


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