食物と食品添加物のかかわりとは? 着色・栄養強化・安全性・品質の向上など

日本では、高度経済成長期に食品添加物の多量使用や、毒性の疑いのある食品添加物が使用されていたケースもあるそうですが、1970年代に入り問題視されるようになりました。また、食品添加物の中には、発がん性物質を含むものも発見され、その使用が禁止されています。そこで今回は、食品添加物の使用理由や安全性についてみていきます。

食品添加物の1つに、食品をきれいに見せるための着色料があります。昔から着色のために使われていたシソの葉やクチナシなどが、現在も食品添加物の着色料(エキス)として使われています。また、豆腐を作るのに欠かせない凝固剤の塩化マグネシウムや硫酸マグネシウムは、海水に含まれる成分であり、現在は化学合成されているものもあります。このように、もともと天然の成分も着色や凝固を目的にして食品添加物として使われています。そのほか、食品添加物には、食品の製造過程で栄養成分を補う栄養強化剤や、品質を保つ保存料などがあります。

食品添加物の安全性については、食品安全委員会の専門家が厳しい基準を設けて管理しています。そして、安全性とその有効性を化学的に評価し、厚生労働大臣が認めたものが食品添加物として認められています。基準値は、さまざまな動物実験を行い、「無毒性量(毎日摂取しても全く影響がない量)」を求めます。人と動物との差や個人差などを考慮して、無毒性量の1/100を「ADI(一日摂取許容量)」とします。さらに、使用される食品の摂取量などを考慮して、ADI未満になるように「基準値」を求めます。実際に、食事などを通して食品添加物を取る量は、ADIよりも少ない量となっています。

例えば、ハムやソーセージ、ジャムなどに使用されているソルビン酸はカビの発生を防ぐために添加されています。しかし、ラットにソルビン酸を含んだエサを17ヵ月間与え続けた実験によると、体重が増えず、肝臓や腎臓が小さくなったという実験結果などもあります。また、ペットボトルのお茶に含まれるビタミンCは色や風味の変化を防ぐ酸化防止剤として使われています。天然由来の物質や人間が必要とするビタミンCなどは安全性が高い食品添加物ですが、ビタミンCも1日に6gくらい大量にとると、吐き気や下痢などを引き起こすことがあるため、量を守ることが大切です。

もし、食品添加物がなければ、ハムやソーセージはすぐに腐ってしまい、お茶は黒ずんで風味も味も落ちてしまいます。また、食の安全性が保てなくなるだけでなく、毎日の食生活が味気なくなってしまいます。食品添加物は欠かせないものですが、使用している食品を活用する際には、1つの食品に含まれる食品添加物が微量であっても、総体的に多くの量を体内に取り込んでしまわないように気をつけましょう。(監修:健康管理士一般指導員)


ヘッドライン

連載中コラム

健康管理!教えて!!
【連載】健康管理!教えて!!
マイライフストーリー ~新商品で日常を語る物語~
【連載】マイライフストーリー
健康管理!教えて!!
【連載】健康管理!教えて!!

マイライフストーリー ~新商品で日常を語る物語~
【連載】マイライフストーリー

 

カテゴリ