運動器の健康を長く維持するためには? 骨格筋と骨に良質なタンパク質を補給

私たちの身体活動を担う神経や筋肉、骨、関節などは、運動器と総称されています。近年は、ダイエットのために朝食を抜くなど、誤った食事制限による栄養素の不足にともなう運動器への悪影響が問題視されています。特に、食事を抜くと、不足したエネルギーを体内で調達するために、骨格筋や骨に存在するタンパク質が分解され、これが習慣化すると骨格筋量や骨量が低下し、深刻な状態に陥ります。

骨格筋量や骨量が低下したまま高齢者を迎えた場合、運動神経などの衰えも加わって、転倒と骨折を引き起こしやすくなります。さらに、骨折治療のために寝たきりになることで筋力の衰えが進み、悪循環に陥ってしまいます。そこで、運動器の健康を維持するためには、「鍛える運動」と「骨格筋と骨の栄養補給」を両立することが推奨されています。

骨格筋の材料といえばタンパク質ですが、タンパク質は骨の材料にもなります。タンパク質は何種類ものアミノ酸によって構成されており、そのアミノ酸には体内で合成できない必須アミノ酸と、体内で炭水化物や脂質などから合成できる非必須アミノ酸があります。いずれも骨格筋の材料として使われますが、特に、必須アミノ酸が不足することがないように、毎回の食事で意識して摂取することが必要です。

そこで参考にしてほしいのがアミノ酸スコアです。アミノ酸スコアとは、必須アミノ酸がヒトの体にとって望ましい量に対してどのくらいの割合で含まれているかを示す指標になります。最高値は100で、数値が高いほど良質なタンパク質と呼ばれています。

アミノ酸スコアが100である魚類には、小腸におけるカルシウム吸収を促進するビタミンDが含まれています。また、大豆や大豆製品には、カルシウムはもちろん、骨の材料となる他に筋収縮を調整するマグネシウムが含まれています。肉や魚については、肉の部位や魚の種類、赤魚と白身魚などの多くの種類があり、これらを焼く・煮る・揚げるなどのさまざまな方法で、さらに、和風・洋風・中華風などのさまざまな味付けで調理すれば、毎日の食事で多くの味を楽しむことができます。(監修:健康管理士一般指導員)


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