記憶力を鍛えるためのポイントは? 料理をすることで脳を広範囲に刺激

年齢とともに記憶を司る海馬の神経細胞の数が減少すると、徐々に記憶力も低下していきます。記憶力を鍛えるためには、海馬のすぐ近くにある扁桃体への刺激が大切になります。具体的には、感動したり楽しいと感じる行動をすることです。なぜなら、海馬へ視覚や聴覚の情報が伝わる時に、同時に扁桃体からの情報が伝わると、より海馬へ情報が伝わりやすいとされているからです。

また、海馬にあるたくさんの記憶から、長期記憶を司る大脳皮質へ送る記憶を選ぶ時にも扁桃体がかかわっています。このように、記憶には扁桃体が深く関係しています。しかし、毎日同じことの繰り返しで刺激の少ない生活が続いてしまうと、扁桃体に伝わる刺激が減り、海馬や大脳皮質への情報伝達が弱まるため、記憶力が低下しやすくなります。そこで、新しいことにチャレンジをするなど、感情が動く生活を心がけることをおすすめます。

特に、料理をすることは脳の広範囲を刺激するトレーニングになります。料理をするためには、まず必要な食材を用意しなければいけません。レシピと冷蔵庫の中身を照らし合わせて、足りないものを買うため、大脳皮質や海馬などの記憶領域、前頭葉などの思考にかかわる部位を刺激します。そして、料理をする時は、前につくったことのある料理であれば思い出す必要があるため、長期記憶を司る大脳皮質が活性化されます。初めてつくる料理であれば、レシピを見て覚え調理を進め、また次の工程をレシピで確認して覚えて・・・と繰り返すため、短期記憶を司る海馬を鍛えることができます。

さらに、調理中はお湯を沸かしている間に食材を切るなど、常にマルチタスクであるため、これも前頭葉を鍛えるトレーニングになります。このように、料理は脳の広範囲をトレーニングできるため、レシピ本は脳トレのテキストと捉えることもできます。

新しい料理にチャレンジするきっかけは多くの場合、「美味しそう。食べてみたい」と思うのではないでしょうか。これもドーパミンが関与しています。実際につくり美味しくできると「またつくろう」「友人にレシピを伝えよう」などさらに意欲が増します。また、近年では、期待通りの結果が得られなくても、ドーパミンの分泌が増えるため、再チャレンジする意欲が沸くということが、明らかになりました。そのため、思うように料理ができなかったとしても、脳の活性化にはつながるので、まずはチャレンジしてみることが大切です。(監修:健康管理士一般指導員)


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