東日本大震災から13年、「ゼロからのまちづくり」を進める福島県大熊町、産業創出や生活拠点・教育環境などの整備が加速

大熊町の産業を復興させる企業支援施設「大熊インキュベーションセンター」

福島県大熊町では県内の「今」と「魅力」を伝え、0(ゼロ)からの町づくりの推進に向けた前向きな姿を発信している。大熊町は、福島県浜通り中央部に位置し、東は海、西は山に面した町。2011年に発生した東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所(以下、福島第一原発)事故によって、町全域が「避難指示区域」および「警戒区域」となり、全町民1万1505人が町外への避難生活を余儀なくされる。2012年12月には「警戒区域」が再編され、町の主要機能を含む町土の大部分が「帰還困難区域」に指定された。この区域については本格除染の計画がない状況にあるなど、復興に向けた多くの課題に対して明確な時間軸の設定ができておらず、全町民の避難から5年以上が経過しても、具体的な復興への取り組みが進まなかった。しかし、2017年3月に福島県大熊町は東日本大震災と福島第一原発事故に対する町の対応をまとめた「大熊町震災記録誌」を発行。震災から8年後の2019年には一部避難指示が解除となり、2022年には町の中心地区の避難指示も解除となった。そして今、新たなにぎわいを生み出すための動きを加速させるなど、町は大きな転換期を迎えている。

教育の復興として12年ぶりに創設された「大熊町立 学び舎 ゆめの森」

大熊町では復興の歩みを多くの人に知ってもらうべく、11月14日に大熊町プレスツアーを開催。産業を復興させる企業支援施設「大熊インキュベーションセンター」および、同センターに入居し、かつて“フルーツの町”と呼ばれた大熊町の果樹産業再興に取り組むReFruits(2023年創業)のキウイ畑を見学した他、新たな町の産業・復興のシンボルとして「夏いちご」を栽培するネクサスファームおおくまの巨大イチゴハウスについて説明を受けた。また、教育の復興として12年ぶりに新しく創設された「大熊町立 学び舎 ゆめの森」を見学。全国的にもユニークな教育に取り組む背景やこれまでの校舎の概念を覆す斬新な学び舎を案内してもらった。ツアーの最後には、来年春(11月14日時点)に完成予定の大野駅西交流エリアを視察。震災前に町の中心地だったJR常磐線「大野駅」西口の再開発エリアを巡った。

■町の中心地区の避難指示も解除され新たなまちづくりに奮闘

「福島県大熊町は、東に太平洋、西に阿武隈高原を有し、夏は涼しく冬は比較的温暖な風土となっている」と、おおくままちづくり公社 事務局次長 移住定住担当の小口喜久氏。「震災前の人口は1万1505人であったが、今年9月時点では9961人に減少。このうち居住者は1329人となっている。町では2027年に約3倍の4000人まで居住者を増やしたいと考えている」と、大熊町の現状について語る。「震災前は、フルーツ栽培が盛んで、梨やキウイが名産だった。また、熊川を遡上する鮭、養殖のヒラメ等も町の特産品として親しまれていた」と、温暖な気候を生かした果樹栽培や漁業も盛んなエリアであったと回顧する。「観光スポットは、うつくしま百名山にも選ばれた『日隠山』や、双葉郡有数の海水浴場でもある『熊川海水浴場』、春には梅、桜の花がいっせいに咲き、6月には4000本のアジサイが色とりどりの花を咲かせる『三ッ森山自然公園』、熊川海水浴場からの眺望が楽しめる海に突き出した『馬の背岬』が有名で、震災前は多くの観光客が訪れていたが、現在はいずれの場所も閉鎖中で立ち入ることはできない」と、未だに町内の観光名所を巡ることはできないと嘆く。

大熊町の名産品の梨とキウイを使ったワイン

「東日本大震災発生時には震度6強を記録。津波によって沿岸部2km2が浸水した。そして、津波は福島第一原発にも到達し、3km県内に避難指示が出るも、翌日には全町民に避難指示が出た。その10時間後に1号機が水素爆発。夕方には福島第一原発から20km圏内にも避難指示が出された」と、当時の状況を振り返る。「大熊町は、2011年4月5日に会津若松市に役場機能を移転。8年後の2019年4月に一部避難指示が解除され、2022年6月にはJR大野駅周辺と線路の西側エリアの一部も避難指示が解除された」と、町の約半分のエリアで避難指示が解除されていると教えてくれた。「大熊町では、震災前の姿を取り戻すべく、下野上地区に集合住宅や戸建てを整備。JR大野駅西口には商業施設『クマSUNテラス』や産業交流施設『CREVAおおくま』を建設している。この他にも今年、大熊西工業団地を整備、2029年には県立病院の誘致も決定している。時期は未定であるものの、大熊IC周辺に道の駅を、国道6号線に商業施設を建設する予定になっている」と、住居をはじめ大規模就業施設や医療機関、商業施設といった生活に必要不可欠な施設の整備が着々と進んでいる。

一年中イチゴの収穫が可能な施設「ネクサスファームおおくま」

「新たな産業の掘り起こしにも余念がなく、大熊町で栽培した米で作った日本酒『帰忘郷』の販売や、イチゴの生産を完全水耕栽培で行うことで一年中、収穫が可能な施設『ネクサスファームおおくま』が稼働している」と、大熊町を代表する産業が育ってきていると目を細める。「2017年には、町の復興をサポートする、町100%出資の一般社団法人おおくままちづくり公社が設立された。不動産の利活用やふるさと絆づくり、日本酒『帰忘郷』造り、移住定住支援センターの運営を主な事業としている」と、公益性を保ちながら復興に向けたまちづくりを主導しているという。「さらに、移住・定住や関係人口拡大に向けて、町の魅力やイベント、日常生活等の情報を発信する『おおくま宣伝チーム』を結成。日々の暮らし、町民だからこそ気づくことができる魅力の数々を多様なメンバーそれぞれが執筆し、町内外に発信している」と、町民の自発的な情報発信によって、移住者などの増加を促し、町の魅力発信のさらなる強化を図る。

■企業支援施設「大熊インキュベーションセンター」で未来を担う若手起業家などを育成

大熊インキュベーションセンター
大熊インキュベーションセンターのエントランス

JR大野駅から約1.5kmの場所に位置し、大熊町民と町外から来た人々との交流の場、そしてビジネスの玄関口として設立された「大熊インキュベーションセンター(通称、OIC)」。旧大野小学校の校舎をリノベーションし、大熊町を実証・実装の場として自社の事業を成長させたいと考える企業・起業家が集結。共創し合うための場所として、あるいは将来的な事業化と町内への事業所・工場立地に向けたステップアップを目指して、中期的に大熊町に拠点を設置する事業者が入居している。図書室であった空間は、「交流スペース」として、入居者、町民、来町者、誰もが自由に無料で利用できるスペースとなっている。その他、複数の「会議室」も貸出すなど、人々との交流が容易にできる環境が整う。

大熊インキュベーションセンターの外観
大熊インキュベーションセンターに入居する企業パネル

外観は「学校然」とした佇まいのOIC。しかし、校舎内に足を踏み入れると、入居企業を紹介するパネルが出迎える。案内を過ぎた先には、震災で本棚から落ちた多くの書籍が、長年床に放置された状態であったという図書室をリノベーションした「交流スペース」があり、コワーキングスペースとしても利用できるようになっている。

コワーキングスペース
無人置き型レジ

スペース内には無人置き型レジで軽食なども購入可能。その他、24時間365日利用できるシェアオフィスとレンタルオフィスには、専用キーで出入りできる。

シェアオフィス
ワーキングブース

コクヨの最新オフィス家具で整えられたおしゃれなコワーキングスペースだけでなく、ここが教室であったことを思い出させてくれる事務所や会議室も完備。和室、セミナールームや仮眠室、シャワールームといった設備も備える。

会議室
仮眠室

■果樹栽培で栄えた町の再興を目指し移住、キウイ生産会社として創業したReFruits

福島第一原発が立地し全町非難を経験した大熊町で、一度は失われた町の特産品キウイの生産を行うべく2023年に創業したReFruitsは、OICに入居する企業の1社。

ReFruits 取締役の阿部翔太郎氏

「2020年から環境省と連携し、大熊町を取材。2022年に大学を休学して浪江町と大熊町で生活しながら、中間貯蔵施設内を題材にしたドキュメンタリー『夫沢』を制作していた。大熊町で生活していく中で、町の特産品であるキウイの存在を知り、震災前まで町でキウイを生産していたという農家の人たちやおおくまキウイ再生クラブとの交流を通じて、当社の代表と共にReFruitsを立ち上げた」と、慶應義塾大学法学部政治学科4年生で、ReFruits 取締役の阿部翔太郎氏。「国内のキウイ市場はゼスプリ社のマーケティング活動が奏功。他の果物が横這いもしくは減少するなか、右肩上がりの成長を遂げている。一方で、輸入キウイは上昇傾向にあるものの、国産キウイの収穫量は年々減少している」と警告する。「こうした市場環境の中、大熊町でキウイを栽培するには、ゼロからのスタートを余儀なくされる」と、震災から手つかずのキウイ畑を再び栽培できる土地に開墾しなければならず、その道のりは前途多難を極める。

キウイ畑

「しかし、デメリットばかりではない」と、ゼロからのスタートだからこその利点も大きいと阿部氏は語気を高める。「日本では10haあたりのキウイの収穫量は1200kgであるのに対し、ニュージーランドでは10haあたり4025kgと約3.3倍の収穫量となっている」と、日本とニュージーランドでは生産性が異なる栽培法を導入。「当社では、大規模でまとまった農地を確保し、ニュージーランドの栽培方法を導入することにした」と、大熊町だからこそ可能な栽培方法でキウイの生産に挑戦する。「補助の充実や資材の二次利用で設備投資を圧縮できている」と、町が農業者等に対する支援制度を充実させている点もプラスに作用しているようだ。

キウイの苗

「ただし、キウイも桃・栗と同様に苗を植えてから3年で実を収穫できるようになる」と、同社にとって最初の収穫は2026年秋を予定する。「収穫までの3年間で、様々な関係構築やファンづくりを模索していく」と、実が育つまでにできる準備には余念がない。「今年8月に行われたスイーツ甲子園『ふくしまチャレンジカップ』において、高校生パティシエたちに大熊町のキウイを題材にスイーツを開発してもらった。またスイーツ甲子園と連携し、お土産お菓子として、東の食の会、県内の菓子製造メーカーと共同で大熊町のキウイ製品を開発している」と、大熊町のキウイを知らしめる活動を行っている。「さらに、キウイオーナー制度を立ち上げ、オーナー自身のキウイの木を育て、実を収穫してもらえる区画の販売も行っている」と、キウイ栽培に参加する人たちを募る活動も実施。「その他、企業向けの研修プログラムの提供も行うなど、大熊町にキウイと集える場所を提供していく」と意気込む。「将来的には、大熊町のもう一つの特産品でもあった梨の栽培にも着手したい」と、かつて“フルーツの町”として栄えた大熊町復活の一助を目指す。

■町の新たな産業としてイチゴ周年栽培に取り組むネクサスファームおおくま

町の伝統産業である農業を新たなビジネスとして確立し、復興をアピールして、雇用を創出、町民の帰還を促すべく、大熊町が100%出資する第三セクターとして設立されたのがネクサスファームおおくま。同社では、大熊町が目指す「ゼロカーボン」の取り組みに基づき、環境に優しい再生可能エネルギーを使用しながら完全水耕栽培でイチゴを生産している。

ネクサスファームおおくま 工場長 徳田辰吾氏

ネクサスファームおおくま 工場長の徳田辰吾氏は、「当社は、県内農作物の風評被害を払拭し、経営的な視点で農業を見直すことで、誰でも働ける安定的で継続可能な農業経営を実現するべく立ち上げた」と、農業のさらなる発展に寄与していくことを理念に掲げる。「イチゴに特化し、四季成り性品種(夏秋イチゴ)と一季成り性品種(冬春イチゴ)を組み合わせた周年栽培・周年出荷をしている。夏の時期は国内の生産者が少ないため、夏のイチゴ『すずあかね』を業務用として生産。冬は、『紅ほっぺ』と『ほしうらら』と『やよいひめ』の3品種を作っている」と、年間を通じて需要に合わせた生産を行う。

ネクサスファームおおくまの外観

「総合病害虫防除(IPM)を取り入れ、農薬を低減した栽培を行うとともに、GAP(Good Agricultural Practices:農業生産の各工程において、食品安全や環境保全、労働安全、人権保護、農場経営管理などの側面に配慮した最良の実践方法を提供)にもとづく生産工程管理と、自社による放射性物質全量検査を実施。検査データの積み重ねによる安心・安全なイチゴの供給を行う」と、放射性物質測定検査は自社検査、国・県による出荷基準検査、外部機関による検査と、3重の検査体制で安全性を確認している。「加工品も販売しており、県内の企業と共同で開発したジャム、セミドライフルーツ、こんにゃくゼリー、サワーエール(クラフトビール)などを作ってきた」と、「おおくまベリー」と命名し小売店へ出荷したり、町のお土産品として販売する。

「おおくまベリー」の商品や加工品

「誰でも働ける農業を目指し、被災者、高齢者および障がいをもった人を積極的に採用することで農福連携を図りながら、作業者の負荷を減らす作業改善と、労働生産性を向上させるためのオペレーションを追及。かがまなくても立ったまま手作業ができたり、重いものを持って運ぶ・移動するなどは台車や機械を使ったり、働く人の負担を減らすように工夫している」と、誰もが働きやすい作業環境づくりも事業の柱に位置づける。「ハウスの中ではコンピュータで収集したデータを活用して効率的に作業を行い、コンピュータ、機械、人が分業して栽培する農業を目指す」と、次世代農業への取り組みにも積極的だ。

完全水耕栽培でイチゴを生産

「得られた環境データ、生育データ、作業データを蓄積・分析し、経営に最適な生産体制を構築することで、継続可能な農業モデルを確立。農業経営者の育成も行う」と、イチゴの生産のみならず、農業に従事したいという人材育成にもチャレンジしている。「敷地面積約4.8ha、栽培施設および栽培関連施設は約2.8haで、約15万株のイチゴが栽培可能なものの、人材不足もあり、稼働率100%には届いていない」と、フル稼働には19名の従業員数を50名前後にまで増やす必要がある。しかし、大熊町は中心地区の避難指示がようやく解除された段階。それだけに、早急に新たな人材の確保は難しいため「イチゴの直売などを行い、『ネクサスファームおおくま』の存在自体を知ってもらう」と、今できることを行っている。

イチゴの直売所

■教育施設「大熊町立 学び舎 ゆめの森」では0歳から15歳の子どもたちが共に学ぶ

東日本大震災後、町民の避難を余儀なくされていた大熊町にとって、12年ぶりとなる待望の教育機関の再開となった「大熊町立 学び舎 ゆめの森」は、小学校・中学校に相当する義務教育学校と、認定こども園、預かり保育、学童保育を一体にした町立の学び舎。

大熊町立 学び舎 ゆめの森の外観

義務教育学校・認定こども園 大熊町立 学び舎 ゆめの森 校長・園長の南郷市兵氏は、「日本で唯一の、認定こども園と義務教育学校の子どもたちが共に学ぶ環境を生かしたシームレスな学びを展開。社会情動スキルの基盤を形作る幼児期から青年期まで一貫した理念とカリキュラムを設けて、0歳からのかけがえのない個が集い、共感・協働し、多様性を力に変える教育を行っている」と、幼児期のあそびの力を伸ばし、学校の学びも内発的な探求へと転換させていると語る。

義務教育学校・認定こども園 大熊町立 学び舎 ゆめの森 校長・園長の南郷市兵氏
仕切りのない音楽室

「校舎内は多様な年齢の子どもたちの自然な関わりを引き出す意図的な環境空間をデザインに取り入れた」と、校舎の概念を覆す斬新な空間には、教室と廊下を分ける仕切りもなければ、すべての机と椅子が黒板に向いて配置させることもない。みんなバラバラで、形も四角形でなく様々で、隣の部屋とくっつけて使ったり、静かで落ちついた場所を見つけたり、一人ひとりが好奇心を持って探究できる場所がつくれる。

自由なレイアウトが可能な教室
自由なレイアウトが可能な教室

「ICTを徹底的に活用し個別最適化した学習者主体の学びによって、子どもたちが自分の学びをデザインし、好きなことになれる授業を展開している」と、自由進度学習を取り入れ、知識習得の時間を大幅に短縮。時間割も自ら組み立て、レベルアップタイムも活用し得意を伸ばし苦手に向き合い、学びの自己マネジメント力の育成に務める。

大熊町立 学び舎 ゆめの森の案内図
テラスと一体化した校庭

「2011年に会津若松市に園・学校が避難。同地で12年間教育活動を展開してきた。そして、2022年に『学び舎 ゆめの森』としてスタート。昨年大熊町に帰還し学校を再開。同時に認定こども園を開園し、2学期から新校舎へ移転した」と、3層に積み重なったウェディングケーキのような日本のどこにもない学校らしからぬ外観の建物は、新しい町のシンボルとして2023年に誕生。「10月28日現在の園児・児童生徒数は67人。2023年度帰還開校後に41人の子どもが転入してきた」と、再開して1年で入学・入園者数は大幅に増加している。「転入者の中には、不登校だった子どもも多い」と、避難先から戻ってきた子どもだけでなく、縁もゆかりもなかった大熊町に家族で移住した子どもも「学び舎 ゆめの森」に通う。

本のひろば
本のひろばに設けられた階段

「子どもたちの教育だけでなく、その子どもたちの保護者である大人も、安心して子育てと仕事の両立ができる環境を整えている」と、図書室ではなく本のひろばと呼ばれる空間を中心に、一つひとつ異なる形の空間が全方向に混ざり合う形状の校舎で、様々な人が行き交い、保護者の人々、地域、社会、学校がともに物語を創る“地域の共創空間”。それが「学び舎 ゆめの森」の理念であり、ゼロからのまちづくりが進む大熊町だからこそできる教育を実現していく。

本のひろば

■大野駅西交流エリアの整備で町の玄関口としての機能を取り戻す

震災前は町の中心市街地であったJR常磐線「大野駅」西口エリア。今は更地となり、来年春のオープンを目指して、町内企業、廃炉や復興に携わる企業、町内で起業し成長した企業などが集う拠点となる産業交流施設や、商業施設、広場、社会教育複合施設の建設が急ピッチで進む。

建設中の「CREVAおおくま」

商業エリアと一体になって人々を引き込み、多様な人々の交流する場とし、産業創出と賑わいづくりを先導する「CREVAおおくま」は、「コの字型の貸事務所と中央の開かれた共用スペースで構成され、外部にはバルコニーを設けた開かれた空間となっている」と、福島県大熊町役場の担当者。「入居者が自由に働くとともに、町民との距離を縮めるワークスペースを2、3階に設けた」と、2階にはコワーキングスペースを併設したラウンジ空間、3階には共用スペースやラウンジ・屋上庭園が設けられる。「木を使った空間をつくり、人々が温もりを感じられるようにした。また、地域特性を活かした最先端技術も導入する」と、環境性能と業務継続性に優れた施設なのだとアピールした。

「CREVAおおくま」と「クマSUNテラス」の説明を行う、福島県大熊町役場の担当者

一方、新たに生まれる商業施設「クマSUNテラス」と広場は、「町内や地区内の施設とのつながりを深め、多様な人々を呼び込む」と、駅西商店街が伸びていたエリアの一部にあたる。「周辺機能と連携し、地区全体の賑わいをつくる」と、将来の施設整備を踏まえ、地区の動線や一体利用を想定した構成になっている。

建設中の「クマSUNテラス」

「商業施設は、北西から南東にかけて、全体で4mある地盤の高低差を棟ごとに解消。1~2店舗ごとの分棟方式にすることによって、店舗出入口の高低差を最小限にすることができ、バリアフリーやユニバーサルデザインに配慮した、合理的で誰もが使いやすい施設となる」と、ヒューマンスケールの街並みが形成される予定だ。「広場は日常のコミュニケーションだけでなく、イベントスペースとしても利用。芝生ひろばや庇下の外部空間と連続する利用しやすい共用テラスも設ける」と、外部への拡張も可能な使いやすい商業施設を目指す。「コンビニや飲食、物販の7店舗が営業。キッズスペースもあり、家族で気兼ねなく訪れられる」と、人々が集まり、賑わいと交流が生まれる、町の復興の大きな推進力としての意味合いも兼ねる。

福島県大熊町=https://www.town.okuma.fukushima.jp
おおくままちづくり公社=https://www.okuma-machizukuri.or.jp
大熊インキュベーションセンター=https://okuma-ic.jp
ReFruits=https://www.kiwinokuni.com
ネクサスファームおおくま=https://nexus-f.co.jp
大熊町立 学び舎 ゆめの森=https://manabiya-yumenomori.ed.jp


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