「熟成肉」が美味しいのはなぜ? 肉が柔らかくなって旨味成分も増加

料理には、「一晩寝かせる」という表現があるように、熟成とは「食材を寝かせて美味しくすること」です。これはエイジングとも呼ばれ、食材がもともと持っている酵素の働きと外的環境(温度・湿度・時間など)の総合作用によって、タンパク質が分解されアミノ酸が増えることです。これによって、食材が柔らかくなり、アミノ酸が増加することで旨味成分も増え美味しくなります。熟成は様々な食材に利用されますが、中でも代表的なものが「熟成肉」です。

では、熟成された肉にはどのような変化が起きているのでしょうか。まず、家畜の心臓が止まると、血液の流れが停止するため、筋肉を始めとした細胞に酸素や栄養素が行き届かなくなります。その結果、筋肉は細胞に残されたエネルギー源を消費しながら、収縮し続けて硬くなってしまいます。家畜をと殺した直後の肉が食べられないのはこのためです。

細胞に蓄積されたエネルギー源が消費されつくすと、筋肉は柔らかくなります。牛の場合、と殺してから一週間ほどたつと、筋肉の細胞の中にもともと含まれている酵素の働きで筋肉のタンパク質が分解され、旨味成分のグルタミン酸とイノシン酸が増加します。イノシン酸は、筋肉を構成するタンパク質であるアクチンとミオシンの構造をゆるめ、筋肉を柔らかくすることにも役立っています。

こうして肉を解体してからある程度時間がたつと、硬かった肉が柔らかくなり、さらに旨味が増してきます。これが熟成です。スーパーなどで市販されている肉は、牛肉は約10日、豚肉は約5日、鶏肉は半日ほど熟成した状態で販売されています。また、熟成によって作り出されたアミノ酸は、肉の香りを増すうえでも重要な役割を担っています。そして、飲食店などで提供されている美味しい「熟成肉」の多くは、市販の牛肉よりも長い日数(30~40日間程度)熟成させたものなのです。(監修:健康管理士一般指導員)


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