サッカーJ3・AC長野パルセイロの新体制が始動、トップチーム強化部長に就任した西山哲平氏に2025シーズンの抱負と展望を聞く

AC長野パルセイロ スポーツダイレクター兼トップチーム強化部長の西山哲平氏

サッカーJ3クラブのAC長野パルセイロは、藤本主税新監督のもと、クラブ創立35周年となる2025シーズンの新体制を始動した。新体制では、J2大分トリニータでゼネラルマネジャーを務めた西山哲平氏がスポーツダイレクター兼トップチーム強化部長に就任し、過去最低成績となった昨シーズン18位からのチームの立て直しを図る。今回、大分から長野に舞台を移し、新天地で挑む2025シーズンへの抱負や今後の展望を西山氏に聞いた。

「クラブが変革期を迎えようとしている中で、私の役割は非常に重要であり、重責に強く責任を感じている。トップチームの強化はもちろんだが、ビジョンの策定、組織の在り方の見直し、強い組織を作っていければと思っている」と、スポーツダイレクター兼トップチーム強化部長に就任した意気込みを語る西山氏。「外から来た人間としては、球技専用スタジアムを持つ長野は非常に恵まれているクラブともいえる。そのスタジアムを一杯にしたい。足を運んでパルセイロを見たいと思ってもらえるようなサッカーを見せたいと思っている」と、AC長野パルセイロのファンへの想いを述べた。

AC長野パルセイロ スポーツダイレクター兼トップチーム強化部長の西山哲平氏

「前所属の大分トリニータでは、チームがJ3に降格が決定したタイミングで強化責任者に着任した。そこから幸いにもJ2・J1昇格を果たすことができた。ケースは同じとはいえないが、すべてのカテゴリーで昇格した経験はきっとパルセイロでも活かせると考えている。また、大分トリニータは予算規模的にJ2では中位以下に位置付けするクラブ。そのような環境では、いかにコストパフォーマンスを最大に発揮するかが肝になる。そのへんのやり繰りの経験も活きると思っている。具体的には、アイデアやグループ力で相手を上回ることだと考えている。またそのグループを構成する一人ひとりの人間性も重要視している。しんどい時に仲間のためにもうひと踏ん張りできるかであったり、もう一歩足を伸ばせるかはそこにつながっていると思っている」と、これまでのキャリアでの経験やノウハウをAC長野パルセイロでも活かしていくという。

長期的に目指すビジョンや実現したい理想の姿について聞くと、「正直財政的に厳しい状況にあるというのは認識している。そういった中で、選手の力を最大限発揮できる監督を招聘することが一番のミッションだと考えた。それが新監督の藤本主税氏。彼の持つ人間性、情熱、求心力、育成力は必ずやチームを良い個方向に導いてくれると思っている。中長期的なビジョンとしてはアカデミーの強化を目指す。将来、アカデミー出身選手がトップチームのスタメンの3~4人を占めるということを目標としている。そのためには、まずクラブとして目指すサッカーを確立し、風通しの良い組織を構築したいと思っている。時間のかかることだが、地道に進めていきたい」との考えを示した。

「昨シーズン、ホーム最終戦を現地で見させてもらったが、スタジアムの素晴らしさはもちろん、ゴール裏の熱気を非常に感じた。その輪をもっと広げていけたらいいなと思っている。このクラブは、J1のクラブのように完成した選手を獲得することは難しいので、未完成の選手をファンと一緒に育てて、みんなでチームを作っていく。そんな関係性を構築することができたら幸せだと思っている」と、ファンと一緒に作り上げていくチームの未来像を教えてくれた。

AC長野パルセイロ スポーツダイレクター兼トップチーム強化部長の西山哲平氏

西山氏に、スポーツダイレクター兼トップチーム強化部長として挑戦したいことを聞くと、「ずばりJ2昇格。同時に強い組織を作ること。長野は、地理的にもスポーツ文化的にも非常にポテンシャルがあるところだと思っている。J2に昇格することで、それが加速的に進むとも考えている。ファンの皆さんに違う景色を見てもらいたいと思っている」と力を込める。「前所属でもチームの強化だけではなく、クラブの組織の構築やクラブ経営に携わってきたが、パルセイロはその部分ではまだ未熟なところがあるように感じている。その難易度は前所属以上のものだと認識している。それをやり遂げることが自身の成長につながると思う」と決意を語った。

チームや組織におけるリーダーシップについては、「私のモットーは全員が当事者意識を持つこと。一人ひとりがクラブを支えているという意識を持ってもらうことが大事だと考えている。例えば、どうしてもトップチームが脚光を浴びることが多いが、裏方スタッフしかり、アカデミースタッフも重要な構成員で、すべての人がクラブを支えていると思っている。感謝とリスペクトの精神も大事にしていきたい」とのこと。「私は、実はブラジルに留学経験があり、日常会話であればポルトガル語が話せる。ブラジルとのネットワークが少なからずあるので、アカデミーの選手を短期留学させることも将来的には視野に入れている」と、海外への留学も支援していくとアピールした。

2025シーズンの目標と今後の展望としては、「当然早く昇格したいし、より上の順位を目指していくが、今シーズンはまずチーム・クラブの基盤を作る年という位置付けになると思っている。2年目以降に、より具体的な目標を立てられるようにしたい。パルセイロが強くなることで、長野のスポーツ文化がさらに発展することにつながればと思っている。アカデミーを改革し、アカデミー出身選手が増えることでも、そこに貢献できると考えている」と西山氏。「あくまで強化担当者は裏方なので、私自身が目立つ必要はないと思っているが、どのようなビジョンで動いているか、その透明性は必要だと思っている。その一環がサポーターズミーティングであり、クラブから発信するSNSであると思う。すべては人と人なのでファンとの意見交換は大事にしていきたい」と、ファンとチームとの距離感をさらに縮めていきたいと話していた。

AC長野パルセイロ=https://parceiro.co.jp/


ヘッドライン

連載中コラム

健康管理!教えて!!
【連載】健康管理!教えて!!
マイライフストーリー ~新商品で日常を語る物語~
【連載】マイライフストーリー
健康管理!教えて!!
【連載】健康管理!教えて!!

マイライフストーリー ~新商品で日常を語る物語~
【連載】マイライフストーリー

 

カテゴリ