「むくみ」が起こる要因はどこにある? 低アルブミン血症や心不全の可能性も

私たちの体内の水分量(体液量)は、通常は血管~間質液~リンパ管の間で水分の出し入れがうまく調節されています。しかし、こうした水分量の恒常性に異常が生じることがあります。その代表的な症状が「むくみ(浮腫)」です。むくみとは、間質液の水分が過剰にたまって腫れた状態のことをいいます。では、むくみが起こる要因にはどんなものがあるのでしょうか。

まず一つ目が、血液中のアルブミン量が減少する低アルブミン血症です。低アルブミン血症になると、膠質浸透圧が低下するため、間質液から血管に戻ろうとする力が弱まり、むくみが生じやすくなります。低アルブミン血症になるということは、体内でアルブミンが産生(合成)される量よりも失われる量が上回るということです。この現象が起こる主な原因としては、肝臓病と腎臓病があります。肝臓にはアルブミンを合成する働きがありますが、肝機能低下によってこの能力が落ちてしまい、産生量が低下します。また、腎臓の機能が低下すると、本来体内にためておくべきアルブミンが尿中に漏れ出してしまい、喪失量が増えてしまいます。

もう一つ、むくみの要因として考えられるのが、心臓の収縮と拡張によるポンプの機能が低下する「心不全」です。心不全が主に右心房や右心室に起きた場合、静脈血を肺に送る力が低下するため、静脈血の圧力が高まります。すると、特に下肢にむくみが起きたり、体重が増加したりという症状が起こりやすくなります。一方、左心房や左心室の心不全が起こると、身体全体に血液を送る力が弱まるため動脈血の圧力(いわゆる血圧)が低下したり、肺から心臓への流れが滞りやすくなることによって肺でのむくみが起き、息切れや呼吸困難が引き起こされやすくなります。

長時間の立ち仕事やデスクワークが続いた後などに起きる一過性のむくみであれば、あまり心配することはありませんが、むくみが何日も続くようであれば、肝臓や腎臓、心臓などの病気が疑われます。体内で55~60%もの組成比率で存在している水分の恒常性に異常が起きるときには、これらの臓器が機能低下している可能性があるので注意が必要です。(監修:健康管理士一般指導員)


ヘッドライン

連載中コラム

健康管理!教えて!!
【連載】健康管理!教えて!!
マイライフストーリー ~新商品で日常を語る物語~
【連載】マイライフストーリー
健康管理!教えて!!
【連載】健康管理!教えて!!

マイライフストーリー ~新商品で日常を語る物語~
【連載】マイライフストーリー

 

カテゴリ