「乳がん&子宮頸がん」の正しい知識を謎解きで学べる親子向けイベントが開催、来場者と医師の質疑応答も

乳がん・子宮頸がんの予防に対する知識を啓発する『親子で協力プレイ!謎解きで学ぶ「乳がん・子宮頸がん」』イベントが国際女性デーの3月8日、東京・渋谷のSHIBUYA QWS スクランブルホールで開催された。

三菱UFJフィナンシャル・グループと日本がん・生殖医療学会が共催した同イベントは、親子で謎解きに挑戦しながら、がんやがん予防を取り巻く状況に対する知識を学んでもらおうというもの。会場には小さな子どもを連れた家族をはじめ多くの人が詰めかけた。

イベント前半では、来場者たちが謎解き「勇者クエスト~輝くいしと迫りくるがん~」(東大謎解き制作集団AnotherVision制作)に挑戦した。問題シートを解いていく形式の謎解きはプレイヤーがファンタジー世界の勇者となって敵に奪われてしまった宝石を取り戻すというストーリー。敵は人間界の「がん」と性質が似ていることがわかっており、「がんの知識」を得ながら敵を倒していく。

「勇者クエスト~輝くいしと迫りくるがん~」のチェックポイント

謎解きは3つのステップに分かれており、最初のステップをクリアした来場者はチェックポイントで次のステップの謎解きを受け取り、がんの知識を得ながらコンプリートを目指した。子どもたちや親世代の来場者たちは謎を解き明かすことに没頭し、予定時間を延長するほどの盛況ぶりを見せた。

「勇者クエスト~輝くいしと迫りくるがん~」の様子

イベント後半では、来場者たちの理解をより深めてもらうため、藤田医科大学産婦人科講師・清水裕介氏による講義が行われた。

藤田医科大学産婦人科講師の清水裕介氏

講義は、がんはどんな病気なのかの解説から始まった。がんは体の中にある細胞が「悪さをする病気」といい、免疫細胞ががん細胞を排除するによって病気になるケースを防いでいることが多々あるものの、清水氏は「『がんになることは特別なことではない』ということは普段から感じている」と言葉に。「統計的にも『2人に1人ががんになる』ともいわれている」とも。「なので、がんを“予防”することや、“がんになったとしても治す”ということを今日、持ち帰ってほしいと思う」と呼び掛けた。

がんには、原因不明なものがある一方で「生活習慣」「細菌・ウイルス」「遺伝的要因」など原因がわかっているものがあるため「予防」することが科学的に可能になってきているという。「自分の行動次第ではがんになりにくくすることができると思う」としたうえで、「当然、どんなことをしてもがんになる可能性は十分ある。そのため、治していくことが大事」と続けた。4つに分かれているがんの進行の段階を説明し「初期の段階で見つかると9割以上の確率でがんを克服できる」と、早期発見と早期対応の有効さなどを解説した。

藤田医科大学産婦人科講師 清水裕介氏による講座の様子

講義の後半では、若い女性がかかりやすいがんの代表例として「子宮頸がん」と「乳がん」の2つを取り上げた。「なぜ、私たち産婦人科医や学会が子宮頸がんについてこれほど啓発しているかというと、子宮頸がんはものすごく増えている」といい、毎年約3000人が子宮頸がんで亡くなっており、その数字は交通事故の年間の死者数を超えていると指摘した。

藤田医科大学産婦人科講師 清水裕介氏による講座の様子

「子宮頸がん」については、「特に若い人からなっていく病気なので本当に早いうちから対応していくことが大事」、「(子宮頸がんは)がんになる手前のものが検診で発見できることが(対応するうえで)すごく大きなメリットになっている」などと解説。検診を受けることを推奨し、母親世代の来場者には「娘さんにも成人になったあとぜひ(検診を)受けるように伝えてほしい」と呼び掛けた。

藤田医科大学産婦人科講師 清水裕介氏による講座の様子

「乳がん」については、「“9人に1人がかかる”といわれている。(来場者の中の)30人の成人女性のうち3人から4人となるので『他人事ではない』と感じると思う。レアなケースではあるが、男性がかかることもあるので知っておいてもらいたい」と話した。乳がんは乳房にしこり(硬い固まり)ができる病気で、自覚症状が出るため自分で触って確かめ異常を感じたら医者に診てもらうことなどを勧めた。

藤田医科大学産婦人科講師 清水裕介氏による講座の様子

そして最後に、「大事な人と大切に過ごせるように命を大事にしてほしい」とメッセージを送り清水氏は講義を終えた。

また、質疑応答の時間も設けられた。娘を持つ来場者からの「小児科から産婦人科に代わるタイミングは何歳くらいなのか」との質問に、清水氏は「女の子が成長する中でこの相談はいろんなところからあり、小児科の先生からも相談を受ける」と前置きをした上で、「施設や医師によって違うということが大前提になるが、基本的には中学までは小児科で受診してもらうのがよい(そして、そこからは産婦人科へ)」と明確にアドバイスする。

加えて「ただ、子宮や卵巣に何かあると小児科では対応できないことが多々ある」ともいい、「症状などがあれば産婦人科で受診してもらってもぜんぜん大丈夫で、むしろ症状があったら産婦人科の方がいいかもしれない」と回答。国際女性デーという日、来場した家族にとってはこのイベントが子どもの成長や女性の健康、そしてがんについて考えるいいきっかけになったようだ。

親子で協力プレイ!謎解きで学ぶ「乳がん・子宮頸がん」=https://anothervision.tokyo/special/yusha_quest/
日本がん・生殖医療学会=https://j-sfp-mufg.org


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