ジェンダーレスタイプや「ミナ ペルホネン」コラボなど、土屋鞄製造所が来年度に入学する小学生向けのランドセル全52製品を発売

工房系ランドセルメーカーの老舗、土屋鞄製造所は、来年度に入学する小学生向けのランドセル全52製品を、3月1日から発売する。販売場所は、全国11都府県の15店舗(直営11店、系列1店、提携3店)と自社ECサイトとなる。また3月18日から順次、全国30都道府県で出張店舗も開く。

販売に先立ち2月1日から全製品を店頭展示するほか、1月31日から自社ECサイトで公開する。

来年度入学向けの製品は全9シリーズ52種で、約40色を揃える。「女の子は赤、男の子は黒」という固定観念がなくなり、“好みの多様化”と“多色化”が進むランドセル市場において、豊富な種類、多彩な色をラインアップして対応する。

製品は、性別にとらわれない色味と型にこだわった“ジェンダーレス・ランドセル”の新色と、人気ブランド「ミナ ペルホネン」コラボモデルの新デザインほか、家紋のデザインを手掛ける工房「京源」の職人が描き下ろしたオリジナルの紋をデザインに取り入れた新シリーズ「HERTE(ヘルテ)」が登場する。

すべてのランドセルは、職人が一つひとつ手作りする、高品質な日本製となっている。同社の創業者・土屋國男氏は昨年11月、職人として「現代の名工」に選ばれており、確かな技術による丈夫で美しい製品を届けるとのこと。

価格帯は幅広く、6万円台の人工皮革を使用した物から、10万円台の最高級品質の天然牛革やコードバンモデルまでを揃える。

今年の「ラン活」で、注目を集めそうなキーワードが「軽さ」だとか。浸透の進まない「置き勉」や、ICT教育で普及するタブレット端末の重さもあり、メーカーは、製品自体の「軽量化」や背負った際に重さを分散する「背負いやすさ」を工夫している。

「RECO(レコ)」

ランドセル業界では昨年から、各社がジェンダーレスを意識した製品を相次ぎ投入している。土屋鞄が開発した、そんなジェンダーレスのランドセルのシリーズ「RECO(レコ)」から、新たなカラーを発売する。性別にとらわれないデザインを目指した製品で、新色はデニムのようなブルー系の「プリズムインディゴ」と深みのあるキャメル系の「プリズムアンバー」の2種を揃える。ともに男女を問わない、落ち着いたシックな色味とのこと。同シリーズは、新たな2色を加えた計10色(10種)を展開する。10種いずれも、「男の子の色」「女の子の色」という固定されたイメージを払拭するような、“大人でも欲しくなる色”を意識している。「自由な色選び」がコンセプトのカラー展開となっている。型は、毎日背負うための機能性や持ち運ぶための収納性など必要な要素以外を削ぎ落としている。あえて装飾性を持たせず、中性的でモダン、洗練された装いにしている。

「RECO(レコ)」は一昨年、昨年入学用として初登場するや否や、1位を含む同社売り上げトップ5に同シリーズ4製品がランクインする大ヒットとなった。昨年も好調で、シリーズの売り上げがランドセル全体の3割以上を占めている。同社は、1997年頃から「ランドセルは子どもの個性に合わせて好きな色を選んでほしい」という思いで、カタログやWEBサイトで性別で分けずに製品を案内している。

「HERTE(ヘルテ)」

今年から、紋章上絵師(手描き家紋の職人)の京源三代目・波戸場承龍氏が描き下ろした文様を、デザインに取り入れ、日本らしさを打ち出した新シリーズ「HERTE(ヘルテ)」が登場する。特徴は、美しい文様をランドセルの側面のマチ、肩ベルトなどに型押ししている点だとか。伝統的な意匠と現代の感性が融合したデザインとなっている。メーン素材は牛革(防水加工)で、手拭き加工によるなめらかで陰影のあるテクスチャーが革の風合いを引き立てる。カラーはグレーとベージュが混ざり合ったような「ストーングレージュ」と、奥行きがあり霜のような「フロストブルー」の2色とのこと。上品な色味と、最高級品質の牛革に施した、繊細な紋が際立つプレミアムな逸品となっている。

ネーミングの由来は「Heritage(伝統・遺産・品性)」です。時を「経て(へて)」という意味合いも持たせている。付属特典として、福井県の伝統工芸・越前和紙を使った小学校6年間分のカレンダーを付ける。

「ミナ ペルホネン」とのコラボレーションランドセル

土屋鞄とアーティストが一緒につくるランドセル「アトリエ」シリーズから、「ミナ ペルホネン」が描き下ろした新作の絵柄3柄をデザインした、コラボレーションランドセル6種類(3柄各 2色)を新発売する。“空想する喜びや自由な創造力を大切にしてほしい”と、3つの絵柄には、愛らしいモチーフが生き生きと描かれている。デザイナーの皆川明氏と田中景子氏の2人による図案は、2023年度につづき2024年度入学用ランドセルでも、特別に描き下ろしてもらっている。

同社は長年、製品の「軽量化」に加えて、背負った際に重さを感じづらい「背負いやすさ」を研究している。「軽量化」では、今年4月入学用製品で、側面などを牛革から人工皮革に切り替えることで、100グラム軽くすることに成功。最軽量のものだと、従来のおよそ90%となる約1290グラムの軽さを実現している。牛革の特徴である見た目の高級感や耐久性は維持したままとなっている。また大マチ(一番大きな収納部の厚み)の1センチのサイズアップ(大容量化)も叶えている。また、「背負いやすさ」では、S字形の肩ベルトや立ち上がり背カンに、2021年モデルから刷新している。ランドセルが背中によりフィットするようになり、身体にかかる重さを分散させることで、同じ重量でも軽く背負えるようにしている。

今年から新たに、ランドセルに入れるものの整理の仕方を、同社の公式インスタグラム上の動画コンテンツにする。厚めの教科書やタブレット端末など重い荷物は背中側にしまうと、背負いやすくなる。重いものを背中に近づけるとテコの原理が働き、軽く感じる。子どもがより負担なく背負え、背負った際のふらつきも防ぐ。そうした内容を、子どもでもわかるように、動画で分かりやすく解説する。

同社が過去に製造し、倉庫に眠っていた製品を販売する「STOCK LUCK(ストック・ラック)」シリーズを、今年から本格的に販売開始する。SDGsの「つくる責任」の観点から昨年着手した、製品を無駄にしないための取り組みとのこと。生産計画に基づく予測数のずれや諸事情によるキャンセルなどで出た在庫の良品を、店頭、ECサイト、出張店舗にまで販路を拡大して展開する。製品は、2年前(2021年度)に販売していたアトリエシリーズを中心に取り扱う。過去の人気柄を集めた“人気復刻版”として、当時、話題となったモデルとのこと。出庫に合わせて改めて検品しており、6年間の無料修理の保証も付ける。価格は据え置きで数量限定となっている。

背負い心地や使い勝手などを自宅で試せる、2泊3日の有料のレンタルサービス「レンタルランドセル」(送料・返送料無料)を、今年も行う。ランドセルの店頭展示日に合わせて開始する。同社がこだわる「背負い軽さ」を、近くに店舗のない人や外出が難しい人、購入前の再確認をしたい人など、全国の消費者に試してもらえる。レンタル対象は、全56製品(STOCK LUCKシリーズ含む)となっている。自社ECサイト上で、申し込みを受け付ける。店舗で長時間滞在を避けたいというコロナ禍の消費者ニーズに対応する。

[小売価格]
RECO(レコ):8万3000円~8万4000円
HERTE(ヘルテ):19万円
ミナ ペルホネン コラボレーションランドセル:8万5000円
STOCK LUCK(ストック・ラック):7万4000円~7万5000円
レンタルランドセル:3000円 ※送料・返送料無料
(すべて税込)
[発売日]3月1日(水)

土屋鞄製造所=https://tsuchiya-kaban.jp/


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