- 健康管理!教えて!!2025/04/22 22:44
変形性関節症の症状とは? 関節軟骨がすり減りクッションが弱まることで膝や股関節に痛みが発生

関節軟骨は、骨と骨の間にあるクッションの役割を担っています。しかし、加齢や使いすぎなどですり減ると、関節に痛みを感じるようになります。この症状を変形性関節症といいます。変形性関節症は、あらゆる関節に起こりますが、特に体を支え体重の負荷がかかる膝関節、股関節に多く起こります。
関節軟骨がすり減る過程で、削られた関節軟骨の破片が出てきます。この破片が関節を包む関節包の内側にある骨膜を刺激して炎症が起こります。進行すると骨と骨が直接ぶつかったり、骨棘という突起ができたりして、関節の変形が起こり、痛みが強くなります。さらに症状が進むと、日常生活に支障が起こるほどの痛みになり、活動範囲が狭まってしまうので注意が必要です。
関節軟骨は、強靭なコラーゲン線維がつくる網目状の骨組みに、プロテオグリカンという物質が絡みつき、軟骨細胞を取り囲む構造になっています。プロテオグリカンは、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸、タンパク質などが結合した物質で、水分とくっつきやすい性質があります。そのため、関節軟骨は水分を含んだスポンジのように、関節が受ける衝撃を吸収したり、骨と骨の直接の摩耗を防いだりすることができるのです。
しかし、関節軟骨は厚さが3~5㎜程度しかないうえに、血管が通っていないため、再生能力が乏しい組織となっています。特に膝の関節は、立つ、座る、歩くなど、日常の動作で休むことなく働いており、歩行時には体重の2~3倍の負荷がかかるなど、体重による負担も大きい箇所です。こうした負担が長年積み重なることで、関節軟骨がすり減りクッションが弱まるため、膝を動かしたときに違和感や痛みが現れるようになります。
変形性関節症の治療の基本は、消炎鎮痛薬を用いて炎症と痛みを和らげる薬物療法と運動療法です。薬物療法で症状を和らげながら、同時に運動療法などによって関節のまわりの筋肉を鍛え、関節の機能を保っていきます。痛みの程度や生活への影響、年齢などを考慮して手術を行うケースもあります。(監修:健康管理士一般指導員)