「過敏性腸症候群」の症状と原因とは? 生活習慣の改善が解消のポイントに

腸に炎症やがんといった病気はないのに、便通異常(便秘や下痢)を繰り返すという人は、「過敏性腸症候群」が疑われます。過敏性腸症候群は、ストレスが関係する典型的な現代病で、珍しい病気ではなく、日本人の5~10人に1人がこの病気の診断基準に当てはまるといわれています。以前は「過敏性大腸症候群」と呼ばれていましたが、腸管の異常は大腸だけでなく小腸も関与していることがわかってきたため、現在の名称に変更されました。

過敏性腸症候群は、急激な腹痛や下痢を起こすのが特徴です。この病気の症状は多彩ですが、「会議中や通勤電車内で決まってお腹が痛くなり、下痢をする」「便秘で腹痛があり、トイレではコロコロとした硬い便しか出ない」などがあります。こうした症状の現れ方から、「下痢型」「便秘型」「交代型」の3つのタイプに分けられます。いずれのタイプも、下痢や便秘に加えて、腹痛や腹部膨満感など不快な症状をともなうことが多く、お腹以外にも「頭痛」「肩こり」「倦怠感」「関節の痛み」「うつ状態」など様々な不定愁訴が現れるのも特徴の1つです。

この病気は、食事をはじめ、生活の乱れなどによって生じますが、現代では、心身のストレスが最大の原因になって腸の機能が失調し、「消化管運動の異常」や「消化管知覚過敏」によって発症すると考えられています。腸管の運動は、自律神経と腸管自体に存在する神経によってコントロールされていますが、ストレスを受けることで、異常な運動が起こります。その結果、腹痛・腹部不快感と共に抑うつや不安など、情動の変化も引き起こし、これらがさらに消化管の運動異常を悪化させます。

過敏性腸症候群と診断されたら、まず生活習慣の改善に努めることが大切です。早寝早起き、毎日決まった時間にトイレに行くなど、規則正しい生活を心がけましょう。特に大切なことは、朝食をきちんと取るということです。便意が起こるのは、朝食によって胃が膨らみ、長時間休んでいた腸が刺激を受けて動き出すためです。また、腸に負担がかかる香辛料やアルコール、脂質などは、できるだけ控えることをおすすめします。ストレス解消のために、ウォーキングやストレッチなど、運動することも効果的とされています。(監修:健康管理士一般指導員)


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