大和ハウス工業が「家事シェア満足度調査」発表会、「名もなき家事」「家事マネスタイル」など紹介

大和ハウス工業は2月8日、「家事シェア満足度調査 発表会」を開催した。

同社は共働き世帯の増加を背景に、家事の時間的・心理的負担を軽減することを目的とした、家族全員で家事をシェアできる工夫や仕組みを導入した戸建住宅「家事シェアハウス」を展開している。家事シェアハウスの展開に際し、同社は家事実態の調査を行い、夫婦の家事分担意識のギャップや、妻に負担が大きい「名もなき家事」の存在に行き当たったという。

「掃除」「洗濯」「料理」「ゴミ捨て」など「名前のある家事」に対して、「買ってきたものをしまう」「ティッシュの空箱を捨てる」「不要なDM・チラシを捨てる」「ストック品をチェックする」「汚れたタオルを取り換える」「たまったゴミを集める」「食卓を拭く」など、家事として具体的な名前は無いが、生活する上で必要な細々とした作業を「名もなき家事」と同社は定義した。

分担しやすい「名前のある家事」に対して、「名もなき家事」は気がついた人が負担し、それが積み重なっていくことで、大きな心の負担につながるのではと同社は推測している。

そういった「名もなき家事」を減らすことは、「家事シェア満足度」を高めることにつながるという。同社はまた、「家事シェア満足度」の高い家族ほど生活への満足度が高いという調査結果も発表しており、「名もなき家事」を減らすことは生活への満足度を高めることにも影響すると考えられる。

「名もなき家事」について家計研究家の氏家祥美氏は、「家事は本来、暮らしを楽しむことで、生きる力を養うことにもなる。そんな家事も、誰か一人に負担が偏ると、重荷になって大きな不満がたまっていく。だからこそ、家事マネジメントで最初にやりたいことは、『名もなき家事』を減らすことである。名もなき家事は、収納や間取りのちょっとした工夫や、日頃からの言葉がけで減らせるものが結構ある」とコメントしている。

「家事シェア満足度」を上げるポイントとして同社はまた、「家事マネスタイル」の重要性を挙げている。

「家事マネスタイル」は、家事シェアを実現するための家族へのアプローチスタイルを4つの異なるジャンルの企業のマネジメントスタイルで表現したもの。「外資グローバルスタイル」「スタートアップスタイル」「従来企業型スタイル」「カリスマ創業者系スタイル」に分類しており、ジャンルごとの家事の進め方は家計研究家の氏家氏が監修した。

「外資グローバルスタイル」は、お互いの得意分野やスケジュールを見極めて、話し合いで担当を決めるスタイルで、担当分野については責任をもって実行する。長所は「お互いの得意分野を最大限に生かせる点」「役割や担当時間を決めているので、予定が組みやすい点」だという。

「スタートアップスタイル」は、お互いの自主性を重視し、対等な関係性で、役割を決めず、できる時にできることをやるスタイル。家事をラクにする道具やサービスの導入にも積極的なタイプ。「家事の総量を減らす工夫があり、自由度も高い点」が長所だが、状況により誰も家事をしなくなるので注意が必要だという。

「従来企業型スタイル」は、伝統的なやり方に従い家事を行うスタイル。新しい道具の導入や担当替え交渉には時間をかけた話し合いが必要。長所は「担当があるため、日々滞りなく家事が進む点」だという。多くの場合、妻の家事負担が多くなりやすい傾向があるとも。

「カリスマ創業者系スタイル」は、リーダーがトップダウンで指示を出し、家族協力のもと、次々に家事を片付けていくスタイル。長所は「リーダーの巧みな指示出しに従い、チーム一丸となって共に家事を行うことができる点。誰かに負担が偏ることなく、全員の家事スキルが向上していく点」だという。

家計研究家の氏家氏は、「今回のアンケートでは、家事シェア満足度の高い夫婦全体では『外資グローバル企業スタイル／分担型×育成型』（30.4％）がトップになっているものの、全体的に分散傾向が見て取れた。大切なのは、自分たち家族にあったやり方を選ぶこと。家族イベントのようにみんなで家事を楽しむのか、得意分野で分担するのか、性格や状況にあったやりやすい方法から家事シェアを始めましょう。どの方法を選んでも、家事シェア満足度を高めるコツは、『家事負担を可視化する』『得意な家事から分担する』『できる家事をみんなが増やしていく』ことにある」と話す。

「家事シェアハウス特設サイト」では、「家事マネスタイル」の診断も行っている。2月11日からは、「家事シェアハウス」を体験できる全国現場見学会も開始する。

※調査結果は、家事シェアハウスを展開する「大和ハウス工業」調べ

家事シェアハウス特設サイト＝https://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/lifestyle/kajishare/research2/index.html?page=nr