- 健康管理!教えて!!2023/03/17 21:31
美肌だけじゃない「コラーゲン」の重要な役割とは?
「コラーゲン」といえば、美肌をイメージする人は多いのではないでしょうか。その通り、コラーゲンは肌の美に深くかかわっているタンパク質なのですが、コラーゲンが担っている役割はそれだけではないとのこと。コラーゲンは、身体の全タンパク質の約1/4を占めるほど体内に多く存在していて、その約40%が皮膚、約20%が骨や軟骨にあるとされています。そして、肌の弾力やハリを生み出す役割に加え、骨の形成にも重要な役割を担っているそうです。
骨はカルシウムが主要材料ですが、実はコラーゲンも骨を作るのに欠かせない材料です。では、骨はどのように作られるのでしょうか。骨の始まりは軟骨です。軟骨は水分とコラーゲンなどのタンパク質からできています。まず、カルシウムにリンが結合したリン酸カルシウムが軟骨の内部に沈着し、石灰化します。石灰化した部分の細胞は死んでしまい、空洞ができます。すると、その空洞に血管が入り込み血管から破骨細胞が放出され、軟骨の石灰化した部分を壊していきます。
そして、壊れた部分に骨芽細胞が現れて骨基質を分泌します。この骨基質の主要成分がコラーゲンです。骨基質には隙間があり、その隙間を埋めるようにリン酸カルシウムが沈着していき、骨が作られていきます。わかりやすく建物で例えると、コラーゲンが鉄筋、リン酸カルシウムがコンクリートの役割を担っています。
こうして軟骨の一部が壊され、その部分に骨ができるという流れを繰り返すことで、軟骨が次々と骨に変わっていくのです。この変化は、骨の中心から両端に向けて行われているため骨は長くなっていきます。
ちなみに、成長期の子どもには、骨の両端に骨端線という軟骨部分があります。成長期は成長ホルモンの分泌が多いため骨芽細胞が活性化され、骨端線の軟骨が骨に変わることで急激に身長が伸びていくのです。成長期が終わると、骨端線が閉じて硬くなり、背は伸びなくなります。しかし、完成した骨は新陳代謝である骨代謝が行われ、古くなったところは新しいものに変わるため、常に丈夫な骨が作られています。
このように、骨の形成と骨代謝には、カルシウムだけでなくコラーゲンの存在が必要不可欠なのですす。しかし、コラーゲンは、加齢や紫外線、活性酸素などの影響によって、その構造が壊れてしまうとのこと。美肌を維持するのはもちろん、丈夫な骨を作るためにも、これらを避ける生活を送って、身体からコラーゲンを減らさないよう心がけてください。(監修:健康管理士一般指導員)