ハワイの伝統舞踊「フラ」と健康の関係とは? 前編~フラによる下半身・体幹の筋肉強化

行動制限のない今年の夏休みは、友達や家族とハワイ旅行に出かけるという人もいるのではないでしょうか。ハワイといって誰もが思い浮かべるのは、伝統舞踊の「フラ」。日本では、よく「フラダンス」と呼ばれますが、ハワイ語で「Hula」は踊るという意味があるため、正しくは「フラ」と呼ぶそうです。フラは、ゆったりとしたハワイの音楽に合わせてゆっくりと踊ることが多いため、キツイ運動には見えませんが、実はハードな運動であり、健康にもよい影響が期待できるとのこと。そこで今回は、フラと健康の関係についてみていきたいと思います。

まず、フラの基本姿勢は、常に膝を少し曲げた中腰であり、上半身は直立させた状態となります。中腰の姿勢を保つことで、上半身を動かすことなく、腰を優雅に動かすことができ、フラ特有の腰のスイングが可能になります。このとき、体幹はまっすぐに保持したまま、骨盤の回旋や傾斜運動が反復的に行われます。そして、上下にぶれないように、姿勢を維持し踊ります。そのため、太ももの大腿四頭筋はもちろん、お尻の大殿筋や中殿筋など大きな部位の筋肉強化につながり、基礎代謝量の増加、肥満防止にも効果的とされています。

また、フラは上半身があまり動かないように固定して踊るため、体幹部分にある腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋などが鍛えられます。これらの筋肉が鍛えられると、振り付けの中でターンをしたときなど、より安定したぶれのない美しい踊りを行うことが可能になるそうです。

運動強度は、太極拳などと同程度であり1曲(3~4分)で4~6METsであると報告されています(座って安静にしている状態が1METs)。各人によって運動量には差が生じ、高齢者や初心者では3~4METsであるのに対して、熟達者では4~7METsであることがわかっているとのこと。初心者では膝の屈伸が小さく、下肢筋肉群の活動が少なくなるためと考えられています。実際のレッスンでは、各人の年齢・体力・技能に応じた配慮がなされるため、それぞれ適度なエクササイズをすることができます。

近年行われている研究からも、フラを踊ることで下肢の筋力増強が認められ、その結果バランス能力が向上し、転倒防止や寝たきり予防にもつながると考えられています。また、姿勢の矯正や、柔軟性の向上なども報告されています。さらに、有酸素運動としての効果も期待でき、心肺機能向上、体力の向上にもつながるほか、継続することで基礎代謝量が増え、生活習慣病の予防効果も期待できるとのこと。ゆったりとした曲に合わせて踊れば、急激な負荷がかからないため、ケガなどの心配も少なく、高齢者の人が始める運動としてもおすすめです。

次回は、フラを踊ることによる心理的な健康効果について紹介します。(監修:健康管理士一般指導員)


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