心を豊かにするポイントは? 他者との「共感」によって心をアップデート

瞬時に生まれる本能的な心(情動)に振り回されないよう、心を豊かにして、心を強く、安定させるためには、さまざまな感情(喜び・幸福感・怒り・悲しみ等)や出来事を体験していくことが大切とされています。また、自分で体験するだけでなく、共感することによっても心を生み出す脳の大脳辺縁系や大脳皮質を活性化し、心をアップデートさせることができるそうです。今回は、「共感」がどのように脳へ影響を与え、豊かな心につながっていくのかをみていきます。

共感には、「情動的共感」と「認知的共感」があります。情動的共感は、誰かが悲しみ、涙を流している姿を見て、自分まで悲しくなるという他者の感情を共有することをいいます。それに対して、認知的共感は、相手と同じような感情を抱くのではなく、「相手は悲しんでいるのだ」と他者の心を理解するプロセスを指します。両者は、同時に起こることもありますが、一方のみが起こることもあり独立した過程と考えられています。

情動的共感では、大脳辺縁系の扁桃体などが主に関与し、認知的共感では、大脳皮質の前頭前野などが主に活発に働きます。情動的共感は、特に自分の家族や恋人、友人など身近な人でより強く現れる傾向にあります。また、認知的共感では、大脳皮質の前頭前野が発達することによって、他者視点で物事を捉えることができるようになります。

人は、他者の考えや意図を推測する際に、他者視点ではなく、自己視点の情報影響が優位になりがちで、誤った推測をする可能性が高くなるそうです。しかし、認知的共感では、他者に起きていることと自分自身に起きていることを区別して考えることが必須であるため、前頭前野は、自己視点からの情報を抑制し、他者の考えや意図の推測を助けるように働くことがわかっています。この他者の視点に立って考えることで生まれる認知的共感は、人間特有の能力といわれています。

さまざまな心の体験は、自分自身のリアルな体験に限るものではなく、このように他者の心(感情)への共感、または、本を読む・映画を観ることによる共感でも構わないとのこと。いろいろなストーリーに触れ、登場人物の置かれた心(感情)を共有することで大脳辺縁系の扁桃体が反応し、心が活性化していくのです。そして、大脳皮質の前頭前野も刺激され、相手の心情を理解し、思いやることができるようになります。本や映画、音楽などを通じて感受性を高めておくことは、心を豊かにするために大きな効果を発揮するそうです。(監修:健康管理士一般指導員)


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