- 健康管理!教えて!!2023/10/02 22:59
老化を遅らせるための食生活の工夫とは? 「抗糖化」と「腹八分目」がポイントに
私たちの身体は、日々の食べ物で作られています。そのため、毎日の食事の内容や食べ方を少し変えると、老化速度を遅らせることができるといわれています。では、老化にともなうさまざまな症状を予防するには、どのような食生活を心がければよいのでしょうか。今回は、「抗糖化」と「腹八分目」の2つのポイントを紹介します。
まず、抗糖化は、老化を加速させる「糖化」を防ぐための取り組みです。抗糖化においては、血糖値の急上昇や高血糖状態が続くのを避けることが重要になります。抗糖化のための食べ方としては、「野菜→おかず→ごはん」の順番で食べることで、血糖値の急上昇を抑え、老化促進の元凶であるAGE(終末糖化産物)の発生を抑えることができます。また、よく噛むことで食べ物の消化・吸収のスピードが緩やかになり、血糖値の上昇を抑えられるとのこと。
抗糖化のための食べ物としては、AGE含有量の少ない食べ物を選択することが大切です。AGEの量は、加熱によって多くなるとされています。例えば、肉なら揚げ物>ステーキ>しゃぶしゃぶ、卵なら目玉焼き>ゆで卵の順番で少なくなります。ただし、AGE量が多い料理を食べてはいけないということではなく、頻度を調節することがポイントです。
食物繊維の多い野菜や海藻、キノコを積極的にとるのもおすすめです。食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにし、食後の血糖値上昇を抑制させるためAGEの発生を抑えることができます。また、植物に含まれるポリフェノールは、酸化を防ぐだけでなく、糖質とタンパク質の結合を防ぎ、糖化反応を抑える働きを持つといわれています。ポリフェノールを含む緑茶や紅茶、ハーブティー、各種野菜や果物、スパイスなどを意識してとるようにしましょう。近年の研究では、ハーブやゆずの果皮、ザクロ果実などには、体内に蓄積したAGEを分解する作用があることもわかっています。
次に、腹八分目と老化防止の関係性をみていきます。私たちの身体には、活性酸素の発生を抑え、テロメアを延伸させるなど老化防止につながる「長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)」あるとのこと。しかし、ほとんどの人で働いていないといわれています。そこで、長寿遺伝子を目覚めさせるには、エネルギー摂取量を減らし、身体をいつもより少し飢餓状態にする必要があるそうです。この目安が腹八分目とのこと。たくさん食べると、長寿遺伝子の働きは低下してしまうため、腹八分目を継続することをおすすめします。
ただし、すでに食が細くなっている人がエネルギー制限をすると、低栄養になるため注意が必要です。また、空腹時間を一定時間確保することで、老化によって機能が低下する「オートファジー」が活性化するため、老化防止につながると考えられています。日本では飢餓と無縁の暮らしをしている人が大半ですが、長寿遺伝子やオートファジーの働きを活性化させ、若々しい身体を維持するために、いつもより少し食事量を減らし、空腹を感じる時間を確保してみては。(監修:健康管理士一般指導員)