味覚はどうやって感じている? 食を楽しむのに欠かせない舌の役割

私たちは、生きるためにはもちろん、楽しむためにも食事をしています。「食を楽しむ」ということは、ほかの動物にはほとんど見られない感覚です。そして、食を楽しむために大切な機能が「味覚」です。今回は、味覚の仕組みを理解するために、味の刺激を受け取る舌の構造や味覚の伝わり方について紹介します。

舌は、食べ物を味わう、食べ物を唾液と混ぜ合わせて消化を助ける、食べ物を飲み込むなどの他、会話をするうえでも重要な役割を担っています。どれも大切な機能ですが、なかでも大きな役割は味覚を感じるセンサーとしての働きです。これは、口の中に入れたものが体にとって有益か有害か、それを判断する第一関門としての働きです。

味覚には、甘味、うま味、酸味、塩味、苦味の5つの基本味があります。このほかに、渋味や辛味などの刺激感のような味覚に相当する要素があります。舌では、味覚以外にも食べ物の温かさ、冷たさ、舌ざわりなどをとらえて、口に入った物質の性質や状態を総合的に調べる働きをしています。こうしたさまざまな情報を舌から得ることは、体にとって害のない食べ物を摂取するためにとても重要です。

では、舌の構造を見ていきましょう。舌は、大きく舌体と舌根に分けられます。舌体の表面には、つぶつぶした舌乳頭と呼ばれるものが無数に並んでいますが、この舌乳頭は数種類あり、そのうち有郭乳頭、葉状乳頭、茸状乳頭には味を感じる器官である「味蕾」が存在しています。

有郭乳頭は、舌の根本付近に10個前後、V字に並んでいます。1個の有郭乳頭には、200個以上の味蕾が存在しています。中央の盛り上がった円柱部の周囲には、溝をはさんで囲いがあり、城や町の外囲いを意味する「郭」のような形をしていることから、有郭乳頭と呼ばれています。有郭乳頭では、周囲にある溝に溶け込んだわずかな物質も感知することができます。

葉状乳頭は、ひだ状の形を持つ舌乳頭で、舌の縁の部分(側縁方向)に存在します。一つのひだ断面あたりに10数個の味蕾が集まっています。隣り合う葉状乳頭の間の溝から味物質を洗い出し、新たな味を素早く感知できるような構造になっています。

茸状乳頭は、きのこのような形をしており、舌の上面(特に先端)に多く存在しています。一つの乳頭あたり3~4個の味蕾が上面にあります。味蕾が上面にあるため、素早く味物質を捉えることができると考えられています。

味蕾は、味を感じる味細胞が数十個から数百個集まってできています。味蕾は、一般成人では舌に約5000個、舌以外に約2500個存在します。舌以外では、例えば口の奥の軟口蓋(上あごの奥のやわらかい部分)、喉(軟口蓋のさらに奥)にもあります。喉にある味蕾は、水を飲むだけで反応するといわれています。「喉ごし」という言葉があるように、私たちは喉でも味を感じ取っているのです。(監修:健康管理士一般指導員)


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