体内時計には「親時計」と「子時計」がある? 太陽の光で24時間周期に調整

私たち人間を含めた地球上のほぼすべての生物は、地球と同じ約24時間を計るための「体内時計」を持っています。体内時計は、睡眠と覚醒だけでなく、血圧や深部体温の調節、ホルモン分泌のタイミング、内臓の活動などの生理活動をコントロールし、人間が本来持っている生活リズムを作り出す役割を担っています。そして、この体内時計には、「親時計」と「子時計」があるといわれています。

体内のほぼすべての細胞には、時計遺伝子が存在し、それぞれの細胞ごとに時計を持ちながら働いています。これらを「子時計」と呼ぶとのこと。各細胞の子時計が刻むリズムは、日々の生活で少しずつずれが生じることがありますが、ばらばらに動くことがないように脳の「視交叉上核」という部分がコントロールしています。神経細胞の集まりである視交叉上核は、間脳の視床下部にあります。視交叉上核は、全身の細胞や器官に向けて指令を出すことから「親時計」と呼ばれ、約1日のリズムである体内時計を刻んで動いているそうです。

さまざまな時間を持つ子時計と親時計が同調して働いていくことが望ましいのですが、例えば、就寝時間や食事の時間に乱れが生じると、それに合わせて胃腸が働く時間やホルモンが分泌される時間も乱れます。このように、不規則な生活を送ると時計遺伝子がばらばらに動き出し、親時計と子時計が上手に同調できない状態が発生してしまいます。すると、睡眠のリズムにも支障をきたすことなります。

また、体内時計の周期は約24時間よりも少し長いといわれています。しかし、実際には、現代の不規則な生活習慣やスマホやテレビなどの人工照明の影響によって、生体リズムが乱れ、その結果、体内時計に個人差が現れる場合もあります。これによって、決まった時間に深部体温や血圧が上がらなかったり、集中力が高まらなかったりと様々な問題が発生してしまいます。体内時計の周期を24時間に合わせて生活するためには、毎日の修正が必要であり、その時間合わせに欠かせないのが「太陽の光(朝日)」です。

私たちの身体は、目の網膜に強い光が入ることによって朝を感じ、夕方暗くなって、網膜に入ってくる光の量が減ることによって夜を感じます。目の網膜には、錐体(すいたい)と桿体(かんたい)という2つの視覚細胞があり、それぞれが光の明暗・強さ・色などを脳に伝えています。そして、網膜に達した光は視覚細胞で電気信号に変換され視神経を伝わり、さらには、視神経が交差する視交叉上核まで情報が伝わります。それと同時に、睡眠をコントロールするホルモンであるメラトニンの分泌量が増減することで、24時間のリズムで覚醒と睡眠を繰り返しているのです。(監修:健康管理士一般指導員)


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