薬に対してもアレルギーは起こる? 化学製品にアレルギーがある人は要注意を

薬の原料は、かつては植物、動物、鉱物などの天然素材が中心でしたが、化学技術が発達してからは、化学的な合成でつくるのが主流になっています。化学合成は、天然素材から発見された有効成分を化学的に加工する場合と、有効成分の化学構造を割り出して、他の原料から同じ構造の成分を化学的に合成してつくる場合とがあります。後者の主な原料は石油です。

このように、多くの薬の原料が化学物質であるため、化学物質にアレルギーのある人は、薬に対してもアレルギーを起こしやすいといわれています。化学物質を使用している製品としては、ポリエステル、ナイロンなどの衣類や合成洗剤、住宅や家具の塗料、芳香剤、食品添加物などが挙げられます。例えば、アクリルのセーターを着るとチクチクしたりかゆみが出たり、皮膚に湿疹やかぶれが出る人は、化学物質に敏感な人です。こうした人は、薬に対してもアレルギー反応が起こりやすいと推察されます。

薬物アレルギーが出るメカニズムは、花粉や食べ物に対して起こるアレルギーと同じです。体内に薬が入ってきた時に、体がそれを異物(アレルゲン)であると判断すると、免疫機能はそれを排除しようと抗体をつくります。この時点では何も起こりませんが、同じ薬(アレルゲン)が再度侵入した時、抗体がそれに反応して攻撃を開始することによってアレルギー症状が現れます。

薬物アレルギーの症状としては、皮膚に発疹やかゆみなどが現れるほか、発熱、関節痛などの全身症状、嘔吐などの胃腸障害を起こすこともあります。すぐに治る症状の軽いものもあれば、アナフィラキシーショックと呼ばれる激しいショック状態となり、血圧が下がり、意識障害を起こして死に至ることもあるので注意が必要です。軽い症状の場合には、原因となる薬を中止すればアレルギー症状は治まっていきます。

薬物アレルギーの症状は、最初は皮膚に現れることが多いので、薬を使用した後は皮膚の反応に注意しましょう。たとえ軽症であっても、アレルギー反応が疑われる症状が出たら、薬の使用をやめ、必ず医師や薬剤師に伝えることが大切です。また、薬を飲んでアレルギー症状が現れたことがない場合でも、化学製品に対するアレルギーの自覚症状に気づいたら、薬が処方される際には医師に伝えるようにしてください。(監修:健康管理士一般指導員)


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