酸素が足りない状況になったらどうなる? エネルギー産生が行えなくなり生命の危機に

私たちが食べる、運動するなどといった生命活動のすべては、エネルギーを利用することによって行われています。エネルギーをつくり出すのは、私たちの身体を構成する一つ一つの細胞です。細胞内において、食事から取り入れた三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)を、呼吸をすることで得た酸素と反応させ、ATPという物質をつくり出します。このとき、同時に二酸化炭素と水をつくり出しています。このATPが、エネルギー発生のカギとなっているのです。

では、酸素が足りない状況に陥ってしまったときには、私たちの身体ではどのような反応が起こり、対処しているのでしょうか。酸素が不足する状況としては、例えば、短距離走やウエイトリフティングなど無酸素運動を行った時が挙げられます。酸素が足りないと、ミトコンドリアによる好気的代謝が行われず、TCA回路以降のATP産生を行うことができなくなります。ATPがつくられないと、エネルギーが生まれなくなるため、そのままでは生命活動ができなくなり、細胞が破壊され死に至ってしまいます。

こうした酸素が足りない状況下では、酸素を使わなくてもATPをつくることができる嫌気的代謝の解糖系を激しく動かすことで対処することになります。しかし、効率の悪い解糖系では、グルコース1分子からできるATPは、わずか2分子であるため、普段よりもはるかに多くの解糖系を動かす必要があるそうです。

また、これによって、解糖系の最終産物であるピルビン酸も次々とつくられ細胞内に増えていきます。好気的条件下では、ピルビン酸は、この後ミトコンドリアに送られて利用されるのですが、酸素が不足している状況では、ピルビン酸は細胞質ゾルで乳酸へと変えられていきます。

酸素を使わない無酸素運動は、長時間続けることはできませんが、その代わり、瞬間的に速いスピードを出すことが可能です。効率の良くない解糖系ですが、その反応は直線的であり、TCA回路のようにさまざまな物質に変換される過程がないため、より速くエネルギーのもとになるATPをつくり出すことができるのです。(監修:健康管理士一般指導員)


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