「ラマダン(断食月)」の期間にも食事をとることができる? イスラム教の食規定

イスラム教は、アラビア商人であったムハンマド・マホメッドが創唱し、イスラム教の聖典コーランを元に唯一の神とするアッラーを信じ崇拝している一神教です。現在のサウジアラビアやイランを中心とした国で信仰され、信者は世界に約16億人いるといわれています。宗派を大きく分けると、スンニ派とシーア派に分かれ、見解や解釈が異なります。

イスラム教の食規定としては、1年に一度、イスラム歴の第9の月に夜明けから日の入りまで、約30日間断食を行います。その期間は自己抑制をし、裕福な人も貧しい人も身分などにかかわらず行い、空腹感や喉の渇きなどの辛さを味わうことで、食べ物に恵まれない貧しい人への思いを馳せ、信仰心を高めるという習慣があります。この期間を「ラマダン(断食月)」と呼びます。

ただし、ラマダンの期間に、全く何も口にしないわけではありません。実は、日没から夜明けまでの時間に食される特別な食べ物があります。日の出前には「サフール」と呼ばれる朝食、日没後すぐに「イフタール」と呼ばれる夕食をとります。内容は、水やジュース、スープなどの飲み物、デーツなどの果物、お菓子や主菜などの食事を楽しむそうです。こうした断食は、乳幼児や妊婦、授乳中の母親、重労働者、糖尿病などの健康リスクのある人は除外されています。

また、イスラム教には、イスラム法によって、口にしてもよい食べ物や飲み物、使用してよい化粧品などの日用品から行動までにわたり、全般的な考え方についても規定があります。そして、神に許されたものを「ハラール」といいます。

一方、シャーリア法によって禁止されているものや行動のことを「ハラーム」と呼びます。ハラームにはアルコール、豚肉やその成分を含むもの以外に、熊や虎などのかぎ爪の動物や両生類、人工的につくられた植物や添加物などがあります。さらに、ハラーム食品を取り扱った場合、同じ空間も不浄となると考え、厨房や製造ライン、器具などもすべて洗浄を行い、清めてから使用することになります。

加工や製造過程において、豚肉などの成分の混入は見た目などで判断することが難しいために「ハラール認証」というものがあります。この認証は、原則として2つの観点から審査されます。一つはイスラム教の教えに則ったハラール食品であること。もう一つは、食品衛生や品質管理が正しくなされた安全性の高い食品であることです。これによって、ハラール認証を受けた食品は、イスラム教の人でも安心して食べることができるのです。(監修:健康管理士一般指導員)


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