「地中海式ダイエット」とは? 地中海食を活用して動物性脂肪を控える食事を

みなさんは、「地中海式ダイエット」をご存知でしょうか。2023年米誌「USニューズ&ワールド・レポート」のダイエットランキングで6年連続総合1位に選出され、健康的な食事法として注目を集めているそうです。「地中海式ダイエット」とは、地中海食に基づき野菜や魚介類、オリーブオイルを中心に、肉類や卵、乳製品など動物性の脂肪を控える食事法とされています。

ではまず、地中海食についてみてみましょう。地中海食は、地中海沿岸諸国で食べられる料理のことです。明確な定義はありませんが、全粒穀物、パスタ、野菜、果物、豆類、ナッツ類、魚介類、ハーブ、スパイスなどの食品を中心とし、オリーブオイルを多く使用する食事となっています。2010年にイタリア、スペイン、ギリシャ、モロッコの食事が中心となりユネスコ無形文化遺産に登録され、2013年にはポルトガル、クロアチア、キプロスも追加登録されました。また、仲間と共に食卓を囲み、語りながら食事を楽しむという食文化も評価されています。

ハーバード大学公衆衛生大学院および世界保健機関(WHO)と協力して米国のNPO法人が作成した「地中海式ピラミッド」には、地中海食のパターンが食品別に分類されています。ピラミッドの頂点は、時々摂取する食品、下にいくほど摂取頻度が高い食品となっています。

「地中海式ダイエット」では、単に体重を減らすというだけでなく、生活習慣病のリスクを低減するメリットもあるといわれています。1985年に米国ミネソタ大学のアンセル・キース博士が日本、米国、フィンランドなど7ヵ国で行った疫学研究で、地中海沿岸諸国では高脂肪食にもかかわらず、血中コレステロール値が低く、動脈硬化による狭心症や心筋梗塞、脳血管疾患などの冠動脈疾患が少ないことを報告しました。理由として、地中海食で豊富に使用するオリーブオイルや魚介類は不飽和脂肪酸を多く含んでいること、飽和脂肪酸を多く含む肉類の摂取量が少ないこと、野菜や果物などの植物性の食品を多く摂取するため抗酸化力が高いことなどが挙げられています。

一見、日本人に馴染みのない食文化のため、全粒粉のパンやパスタを日常の食事として取り入れるのは難しいと感じますが、主食のご飯を玄米や雑穀米に変える、焼き魚や豆腐、お浸しの仕上げにオリーブオイルをかけるなど日本人の食生活と融合しやすくなっています。また、和食の弱点である塩分量の高さをオリーブオイルの風味で補うことで、醤油や味噌の使用量の低下、塩分量の減少につながります。

「地中海式ダイエット」を継続することで、減量効果だけでなく生活習慣病の低減や健康維持への効果も期待されます。しかし、一般的なダイエットに比べ、制限が少なくストレスがかかりにくい反面、効果が得られるまでに時間がかかる傾向があるため、食事の工夫だけではなく、適度な運動を合わせて行うことが推奨されています。取り組む際はまず、1日のうち1食を地中海式の食事に置き換えることから始めることをおすすめします。(監修:健康管理士一般指導員)


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