ストレス反応は昼と夜で違う? 体内時計とストレスホルモンの関係が大きく影響

何かと忙しい現代社会では、仕事や勉強、家事、育児など、多くのことに対処していく必要があります。これらのストレッサーによる反応は、個人によって様々ですが、性差や年齢、時間などの要因によっても異なってきます。今回は、昼と夜でのストレス反応の違いについて見ていきたいと思います。

私たちの体に備わっている体内時計は、体の生体リズムを調節していますが、このリズムが乱れると様々な不調が生じます。そして、この体内時計のリズムが昼と夜のストレスホルモンの分泌に大きく影響を与えていることが、北海道大学の研究でわかってきたそうです。

私たちはストレッサーを受けるとそれに適応しようとするために、脳内の視床下部から脳下垂体を経由して副腎へと至る内分泌系の経路(視床下部-脳下垂体-副腎皮質系:HPA系)で、副腎皮質からストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を促進します。さらに自律神経系のシステムでは、ストレッサーを受けると交感神経が支配している副腎髄質からアドレナリンなどが分泌されます。

HPA系は、ストレッサーに適応するための防御システムであると同時に、HPA系によって分泌が促進されるコルチゾールは、体内時計のコントロールを受ける代表的なホルモンです。このコルチゾールの分泌は、本来朝方に高く、夜間に低いリズムを示しています。北海道大学では、このリズムとストレス反応の関係を明らかにするための実験を行いました。

実験の結果、ストレス反応システムは、朝から昼間はHPA系と交感神経系がどちらもストレッサーに対して反応するのに対し、夜間は自律神経系のみが反応することが示されました。また、コルチゾールの分泌が低い夜間にストレッサーにさらされると、HPA系のストレス反応での対応ができず、生体の防御機構がうまく適応できなるため、多くの人は夜間の方がストレスに対して弱くなることが示唆されました。

ストレッサーは多すぎても少なすぎても不調の原因となりますが、強いストレッサーがかかるようなことは朝行うなど、体内時計の働きを考慮しながら活動することで、ホルモンの作用をコントロールできるようになると考えられています。(監修:健康管理士一般指導員)


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