幸せな気持ちが長続きしないのはなぜ? 生き延びることを最優先に幸福感から願望へと感情が変化

私たち人間は、喜びや不安、怒り、悲しみなどさまざまな感情を持っています。パリオリンピックでメダルに挑む日本選手の姿に、一喜一憂している人も多いと思います。特に金メダルを獲得した瞬間は、選手はもちろん、選手を応援している私たちも歓喜し、幸せな気持ちになります。こうした気持ちがずっと続けば、毎日楽しく幸せに過ごすことができますが、喜びや幸せの感情は長続きするものではありません。

幸福感が長続きしないのは、そもそも人間が感情を持つようになった理由が深く関わっているといわれています。狩猟採集民族だった頃の人間は、生き延びて子孫を残すことが何より重要であり、そのためにさまざまな感情が生まれてきました。猛獣に対する強い警戒心や、集団から外れる孤独への恐怖、不安、悲しみなどです。つまり、大前提として、脳が最優先してきたことは、幸福を感じるためではなく、生き延びて命をつなぐことだったのです。

ここから考えると、なぜ常に気分良く幸せでいることができないのかが見えてきます。例えば、1食分の食事を手に入れたとします。満足し喜びを感じながら食べる。しかしその後、どのくらい満足したままでいられるでしょうか。たいして長くは続かないはずです。そのまま何ヵ月も満足なままであれば、新しい食べ物を探すモチベーションが湧いてこないため、すぐに飢え死にしてしまうからです。

人間にとって幸福感というものは、“消えて然るべきもの”といえます。そのため、「希望の仕事に就くことができた」、「新しい車を手に入れることができた」、「欲しかった洋服やバッグを買うことができた」など、その瞬間は満足して幸せな気持ちになりますが、どれも長くは続かず、すぐに新たな願望へと入れ替わっていきます。ずっと幸せのままでいるのは、非現実的であり、だからこそ生きるための新たなモチベーションが湧いてくるといえるでしょう。(監修:健康管理士一般指導員)


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