漢方医学の診察で「証」を診たてるポイントは? 後編~「寒・熱」「表・裏」のモノサシ

前編では、漢方医学の診察標準として「陰・陽」と「虚・実」について紹介しました。今回は、「寒・熱」と「表・裏」のモノサシについてみていきます。あわせて、漢方医学において生命のエネルギーや体の働きを表す「気・血・水」についても解説します。

「寒・熱」とは、症状の性質を示すモノサシです。漢方医学でいう寒・熱は、体温計で測る熱のことではありません。本人が寒く感じるか、暑く感じるかということです。例えば、風邪の発熱時にゾクゾクとする悪寒は「寒」です。逆に、気温が低く熱がない時でも、喉が渇く、顔がほてる、冷たいものが欲しい場合は「熱」となります。また、顔はほてるのに手足は冷えるというように、体全体の寒熱と部分的な寒熱は混ざり合った状態で存在することもあります。

「表・裏」とは、病気が体のどこに出ているかを把握するモノサシです。漢方医学では、人間の体は三層からなっていると考えます。皮膚や神経、筋肉、関節などの体の表層部を「表」、胃や腸などの消化管を「裏」、肺や肝臓、心臓など表と裏の間にある部分を「半表半裏」といいます。例えば、内臓に異常がなく、発熱などの表面の症状だけの時は「表証」といい、便秘などの裏の症状だけの時は「裏証」といいます。また、表・裏は病気の進行状況を知るモノサシでもあります。一般的に、病気は体の「表」から入り、深部である「裏」へと進行していくと考えられています。

さらに漢方医学では、「陰・陽」「虚・実」「寒・熱」「表・裏」の4つのモノサシに加えて、「気・血・水」の3要素を組み合わせることで、病態の性質や原因を表現します。「気」は、人間を生かしているエネルギー、つまり生命力のことでdddす。気というのは、目には見えませんが、体の中をくまなく循環しています。健康な体では、気が滞りなく全身を巡っていますが、体力が低下したりストレスがかかったりすると、気の巡りに悪影響を及ぼし、気の流れが滞ったり、循環する気が足りなくなってきます。

「血」は、全身を循環して、皮膚、筋肉、目、鼻、胃腸、子宮などあらゆる組織・気管に栄養を運び、生命を活動させる液体のことをいいます。西洋医学でいう「血液」とほぼ同等なものとして捉えているとのこと。血の循環が順調であれば、皮膚が潤い、力がみなぎり、生命活動が活発になるとされています。

「水」は、体内を巡る「血」以外の水分のことです。つまり、体液や分泌液、尿や浸出液のことを指します。水の循環が順調であれば、皮膚に潤いと張りをもたらし、筋肉、関節の動きを容易にして、脳が栄養で充実するといわれています。(監修:健康管理士一般指導員)


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