運動中に水分補給をするポイントは？ 激しい運動をする時にはスポーツドリンクを

運動をするとたくさんの汗をかきます。以前は、運動中に水を飲むのはやめた方がいいといわれた時代もありました。しかし、今ではそれはとても危険なことだとされています。運動をすると体温が上昇します。体温が上昇すれば、汗を出して体温を下げなければなりません。運動を続ければ汗は出続けるので、徐々に体の中の水分が減少していきます。そして、このまま水分を補給しないで運動をしていると脱水症状になってしまいます。

では、運動中はどのように水分補給をしていけばよいのでしょうか。まず、運動中の水分補給量は、運動の時間と強度、そのときの気温と湿度によって調節していきます。一般的には、400～600mlぐらいの量を運動の30分前に補給し、運動中はこまめに15分おきに100～200mlぐらいがよいといわれています。ただ、これはあくまでも目安量なので、状況によって調節するようにしてください。

さらに、激しい運動をしてたくさんの汗をかいたときは、水分だけを補給すればよいというわけではありません。汗をたくさんかくと塩分も同時に失われます。塩分が汗として出ていくと、その分血液中の塩分濃度が低下し、血液は薄まった状態になります。そんなときに水だけを補給すると、さらに血液が薄まるために、喉の渇きを感じなくなり、それ以上水を飲むことができなくなってしまいます。その一方で、余分な水分は、腎臓から尿として排泄されるので、体全体としては脱水状態が続いてしまうのです。

よって、激しい運動をした時に大切なことは、水分とともに塩分も補給するということです。そうすれば、運動をしながら水を飲むことができますし、汗を持続的に出すことができます。これは、熱中症の予防にもつながります。

しかし、運動中に薄い塩水を飲むのは現実的ではありません。そこで最適なものが、スポーツドリンクです。薄い塩水に糖分を混ぜることによって、美味しくて飲みやすいのはもちろん、糖分を一緒に摂ることで、運動時のエネルギー補給にもなります。糖分によるカロリーや甘さが気になる人は、少し水で薄めてみたり、自分で水にレモンのはちみつ漬けを入れたオリジナルのスポーツドリンクをつくってみるのもよいでしょう。（監修：健康管理士一般指導員）