酸味を甘みに変える「ミラクルフルーツ」の秘密とは? ミラクリンが脳をだまして味覚機能を変更

ある物質を食べたことによる影響で、後に食べた物の本来の味が弱くなったり、別の味に変化することあります。このような、味覚を変える物質を「味覚修正物質」といいます。これは、味物質の構造を変えるのではなく、味細胞の受容体に作用して、一時的に味覚機能を変える働きをします。つまり、その物質を食べることで脳がだまされて、別の味に感じてしまうのです。今回は、味覚修正物質の代表的なものとして「ミラクリン」を紹介します。

酸っぱいはずのレモンを口に含んだらオレンジのように甘くなったり、酢をなめたら砂糖水のように甘くなったりするように、味覚をだます木の実として「ミラクルフルーツ」が知られています。この木の実を噛み潰し、2~3分間口の中に含むと、レモンや酢、梅干しなどの本来酸っぱく感じるはずのものが甘い味に変わってしまいます。まるで奇跡ともいえるような働きをすることから「ミラクルフルーツ」と呼ばれているそうです。

ミラクルフルーツが酸味を甘みに変えるメカニズムに関わっているのがミラクリンというタンパク質です。ミラクリンは酸味を甘みに変化させるのではなく、舌が酸味を甘みとして認識させる作用をします。味覚は、舌にある味蕾の味細胞によって感じ取ります。味蕾には、それぞれの味覚を感じる受容体があり、通常酸味は、酸味を感じる受容体に結合するのですが、酸味の物質(水素イオン)が口の中でミラクリンと結合すると、物質の形が変わり、強制的に酸味の物質を甘味受容体に結合させるようになります。これによって、脳に甘いという刺激が伝達され、酸っぱい物を甘いと感じるといわれています。

ただ、ミラクリンは酸味を感じる受容体をふさいだり、麻痺させるものではないため、多少の酸味は感じるとのこと。また、味の感じ方を変化させているだけなので、食べた物の成分が変わるわけではありません。このことから、酸っぱい物が甘くなったといって食べ過ぎると、胃を悪くする可能性があるので気をつけましょう。(監修:健康管理士一般指導員)


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