肝臓の解毒をサポートする物質とは? 「スルフォラファン」「グルタオチン」「オルニチン」の働き

肝臓は、体内の有害物質を解毒する働きを担っている重要な臓器です。肝臓の重さは体重の約1/50を占めており、人体で最も大きい臓器といわれています。体内で発生した有害なアンモニアや食事から摂取したアルコール、アクリルアミドなどは肝臓に集められ、無害な物質に変えて腎臓へ運ばれていきます。今回は、この肝臓の解毒をサポートしてくれる物質として「スルフォラファン」「グルタオチン」「オルニチン」の3つを紹介します。

まず、スルフォラファンは、「ブロッコリー」や「大根」「キャベツ」などアブラナ科に含まれる辛味成分物質です。特にブロッコリーの新芽の部分である「ブロッコリースプラウト」に多く含まれていることがわかっています。スルフォラファンは、高い抗酸化作用を持ち美肌や老化予防に役立つだけでなく、体内の解毒酵素の活性化にも一役買っています。解毒は、肝臓でつくられる「フェーズ1酵素」と「フェーズ2酵素」が主に担っていますが、スルフォラファンは、このフェーズ2酵素を活性化させる作用を持っています。

スルフォラファンによって活性化されたフェーズ2酵素は、薬物代謝の2段階目に必要な物質であるグルタチオンと有害物質の結合を促し、無毒化することで体外への排出を促します。スルフォラファンは、熱に強いため加熱をしても壊れませんが、水溶性の物質であることから水に流出してしまうため、ブロッコリーなどを調理する際は、電子レンジでの加熱や茹で汁と共に摂れるスープなどをおすすめします。

グルタチオンは、アミノ酸が連なったペプチドで、動物や植物などの細胞内に存在し、生命を維持する上で欠かせない成分です。人の場合は、特に皮膚や肝臓に多く含まれていることがわかっています。グルタチオンは、高い抗酸化作用があり美肌に役立つ他、肝臓での解毒作用に必要な物質でもあります。しかし、加齢や紫外線の影響によって減少しやすいとされています。そのため、グルタチオンを多く含む食品である「ほうれん草」や「キャベツ」「カボチャ」「ブロッコリー」などを日頃から意識して摂取すると肝機能のサポートにつながります。また、スルフォラファンは、グルタチオンの生成自体を促す作用があることもわかっています。

オルニチンは、体内に存在するアミノ酸であり、アンモニアの肝臓での解毒を行う「尿素回路(オルニチンサイクル)」に働きかけ、有害なアンモニアから無害な酢酸への変換をサポートします。アンモニアが体内に過剰に発生すると全身の疲労にもつながるため、オルニチンを摂取することで疲労回復効果を得ることができるといわれています。オルニチンは、シジミに多く含まれる成分として有名ですが、生のシジミに比べ、一度冷凍してから調理した方がオルニチン量が7~8倍増加することがわかっているそうです。そこで、調理の際は一度冷凍した後に使用するのがポイントです。(監修:健康管理士一般指導員)


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