髪の毛の構造と働きとは? 「毛髄質」「毛皮質」「毛小皮」の3つの成分で構成

私たちの髪の毛の太さは、直径0.05~0.15mm程度で、25~30歳ごろから徐々に細くなっていきます。毛髪の断面が円形だとストレートヘア、卵型や楕円形の場合は癖毛になります。髪の毛の構造を詳しく見てみると、「毛髄質」「毛皮質」「毛小皮」の3つの成分で構成されています。

「毛髄質」は、毛髪の中心にあり、やわらかなタンパク質が主成分です。「毛皮質」は、タンパク質の一種であるケラチンが主成分で、毛髪の85~90%を占めています。繊維状の構造になっており、含まれるメラニン色素の量や種類で毛髪の色が決まります。「毛小皮」はキューティクルとも呼ばれ、硬いタンパク質でできた透明なうろこ状のものが4~10枚重なっています。1枚の厚さは約0.005mmで、外部の刺激から毛髪の内部を守る働きをしています。

毛髪に当たった光がキューティクルの表面で反射すると、白く輝いて見えます。これを表面反射光といい、健康な状態の毛髪の表面はキューティクル表面が整っていて、輝きがはっきりと見えます。この光を「天使の輪」と呼んでいます。しかし、表面が傷んでキューティクルが削られたり、剥がれたりしてなめらかさが損なわれると、天使の輪がきれいに見られなくなります。

また、毛髪は、皮膚から出ている部分の「毛幹」と皮膚の中にある「毛根」に大きく分けることができます。毛根の部分の毛髪は生きていますが、一般的に髪の毛と呼ばれている皮膚の表面に出ている毛幹はすでに死んだ細胞でできています。つまり、毛幹は自分で修復することができないので、傷めないように気をつけること、そして傷んでしまったら、進行させないように丁寧にケアすることが大切です。

毛髪には、頭や頭皮を守るという重要な役割があります。何かにぶつかったとき、毛髪がクッションとなったり、脳を暑さや寒さから守って、脳の損傷を防いだりするほか、体にとって有害な物質を毛髪や汗を通して体外に排出したり、紫外線から守るなどの役目も担っています。(監修:健康管理士一般指導員)


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