- 健康管理!教えて!!2025/01/21 20:56
内服薬の「錠剤」と「カプセル剤」の違いとは? 効いてほしい場所や時間を考慮した剤形に
薬の剤形は、大きく内服薬と外用薬の2つに分かれます。内服薬は口から飲む薬で、胃や腸で吸収され、肝臓を経て血液中に入り、病気の現場まで運ばれて治療効果を発揮します。内服薬には、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤・シロップ剤といった種類がありますが、この中で最もよく使われているのが錠剤とカプセル剤です。今回は、錠剤とカプセル剤の違いについてみてみましょう。
錠剤は、薬の成分に乳糖やデンプンを混ぜて練り固めたものです。乳糖やデンプンを混ぜることで、飲みやすい一定の大きさに整えたり、薬の成分が溶ける時間を調節したりすることができます。錠剤が薬の主流になっているのは、用量が正確で、保存しやすく、飲みやすい形をしていて、携帯にも便利という特徴があるからです。また、糖衣錠のように表面を砂糖でコーティングしたり、効き目を長時間維持するために二重構造にするといった、さまざまな加工をしやすい点でも優れています。
一方、カプセル剤は、ゼラチンなどでできたカプセルに薬を入れたものです。カプセルの中に入れる薬は、固形、粉末、顆粒、液体と何にでも対応できます。また、薬をカプセルで保護して胃を通過させ、腸で溶けるようにしたり、長時間作用させたい薬の場合は、成分が少しずつ溶け出すようにするといった技術に対応できる点でも優れています。同じカプセル剤でもカプセル自体の成分や厚さの違いから、胃ですぐに溶けるもの、胃で溶けるのに少し時間がかかるもの、また、胃では溶けずに腸まで届いてから溶けるものなど、さまざまな種類があります。
このように、錠剤やカプセル剤は、それぞれ効いてほしい場所や時間などを考慮して作られており、そのままの形で飲むのが基本です。錠剤を砕いたり、すりつぶしたり、カプセルを開けてしまうと、効果を高めるためのコーティングが生かされなかったり、副作用が現れたりと、体に良くない影響が出やすくなってしまうそうです。医師や薬剤師の指示がない限り、錠剤を噛み砕いたり、カプセルを開けたりせずに、必ずそのままの形で飲むようにしましょう。(監修:健康管理士一般指導員)