人によって汗のかき方が異なるのはなぜ? 男女の違いや年齢・地域の影響なども関係

私たちは、辛いものを食べたときや暑いとき、緊張したときなどに、顔や体から汗がじわっと出てきます。汗が出てくるのは、汗腺という場所からです。汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、それぞれ性質も出る汗も違ってきます。また、汗のかき方も、人によって異なります。それは、実際に汗を出す能動汗腺の数の個人差もありますが、男女差や体型、年齢なども関係しているといわれています。

まず、男女でみてみると、男性の方が女性よりも汗を多くかきます。理由は、男性の方が基礎代謝が高いという点が挙げられます。つまり、基礎代謝が高いために、体温が高くなりやすいのです。また、男性ホルモンには発汗を促す作用があるそうです。

一方、女性は、皮下脂肪が厚いので外気温の影響を受けにくく、発汗量も少なくてすみます。ただし、皮下脂肪は断熱効果があるため、代謝によって体の中の熱が上がると熱を発散しにくいので、発汗量が多くなります。肥満の人が運動や食事をすると汗をたくさんかくのもこのためです。

年齢的な影響としては、老化によって基礎代謝が低下すると、体温も上がらなくなるので汗もかきにくくなります。そして、老化によって脳の機能も衰え、体温調節システムもうまく作動しなくなるので、環境の変化にうまく順応できずに発汗の調節もできなくなってしまうとされています。

この他に、住んでいる地域の影響もあります。もともと人間の持つ汗腺の数は同じですが、能動汗腺の数は、住んでいる地域や民族によって差があるそうです。寒いところに住む民族よりも、暑いところに住む民族の方が多くの能動汗腺を持っています。日本は、四季による気温の差が激しく、高温多湿の環境です。このような気温の変化に合わせて、汗腺の機能を調節することができる日本人は、本来汗をよくかく民族と考えられています。(監修:健康管理士一般指導員)


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