- 健康管理!教えて!!2025/01/29 21:15
日本食に欠かせない「味噌」はどうやって作られる? 麹菌の発酵に加え乳酸菌や酵母も活躍

日本の代表的な調味料である味噌は、麹菌の発酵によって生み出されています。麹菌はカビの一種で、日本の伝統的発酵食品の製造に欠かすことができないものであることから、日本の「国菌」に認定されています。そして、この麹菌を米や麦、大豆などの穀類に加えて増殖させたものを「麹」といいます。
麴菌は、さまざまな酵素を生産・放出することで穀類の糖質(デンプン)やタンパク質を分解し、グルコースやアミノ酸を作り出して、それを栄養源として増殖します。米で作られた麹を米麹、麦で作られる麹は麦麹、大豆で作られる麹は豆麹といいます。これらの麹は、酒や味噌、醤油などの製造に用いられています。最近人気の塩麹は、米で作った米麹に塩を加えてさらに発酵させたものです。
では、味噌はどのように作られるのでしょうか。味噌を作るのは、もちろん麹菌が主役ですが、そのほかに乳酸菌と酵母も活躍しています。味噌は、使用する麹によって米味噌、麦味噌、豆味噌に分類され、例えば、豆味噌であれば、「麹・大豆・塩」を混ぜ合わせ、3ヵ月~1年ほど発酵・熟成させて作ります。
発酵の段階では、まず、麹の中の麹菌が、酵素を産生し大豆の糖質(デンプン)とタンパク質を分解します。デンプンは、グルコースに分解され、味噌の甘味や乳酸菌、酵母の餌に変わります。タンパク質は、アミノ酸に分解され、味噌の旨味や乳酸菌、酵母の餌に変わります。
次に、空気中や麹についていた乳酸菌や酵母が、グルコースやアミノ酸を餌に集まります。乳酸菌は、乳酸発酵によって酸を作り、味噌の味を引き締めると共に、腐敗菌の増殖を抑えます。そして、乳酸発酵が進むほどにpHが酸性になり、酵母が活躍しやすい環境になります。酵母は、発酵によって味噌の香りや風味を作る働きを担っています。このように、麹菌や乳酸菌、酵母の発酵の力によって、酵素やアミノ酸などの物質が作られ、美味しい味噌が作られているのです。(監修:健康管理士一般指導員)