- 健康管理!教えて!!2025/03/31 23:03
睡眠中に脳内では何が起こっている? 「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の役割

私たちは睡眠中に、浅い眠りの「レム睡眠」と、深い眠りの「ノンレム睡眠」を繰り返して眠っています。レム睡眠では身体、ノンレム睡眠では脳が主に休んでいます。では、レム睡眠中とノンレム睡眠中、それぞれ脳内ではどんなことが起こっているのでしょうか。
レム睡眠は、まぶたの下で急速眼球運動がみられることから、Rapid Eye Movementの略として、レム(REM)睡眠と呼ばれています。レム睡眠は、主に身体を休める睡眠であり、脳内で記憶の整理・定着を行っているといわれています。
私たちが日中に体験したことは、最初に海馬に記憶され、忘れないうちに覚えた記憶を大脳に移します。このプロセスを「2段階モデル」といい、この2段階目である、海馬から大脳に記憶を移行する作業が睡眠中に行われています。睡眠中は、視覚や聴覚などの機能が低下していて静かに集中できる時間なので、繊細な作業をするのに適した時間です。この作業で、不要な情報を判断して消去し、記憶を量的にも変化させ、脳の空き容量を増やしていきます。
レム睡眠中は、脳内の情報をフル活用し、質的にも変化しています。また、寝言をいうのも、脳の一部が起きているレム睡眠時に多いといわれています。寝言に対して相槌を打ったり、反応したりするのはよくないと聞いたことがあるかもしれません。これは、寝言をいいながら記憶を整理しようとしているときに、余計な情報を与えてしまうと混乱が起こりやすいからだと考えられています。
一方、ノンレム睡眠は、まぶたの下で高速眼球運動がみられないことから、REMではない睡眠という意味で、ノンレム睡眠(Non REM)と呼ばれています。また、ノンレム睡眠中は、深部体温が下がり、脳のエネルギー消費量は1日の中で最も低くなります。ノンレム睡眠は、大脳を休ませるための眠りであり、大脳に蓄積された疲労物質を除去し、大脳を回復させるための時間です。しかし、脳の中心部にある脳幹と間脳は、生命維持のために心臓や肺などの臓器を動かし、血液を循環させるなどの活動を行うための指令を出しています。これらの組織は、生命活動を維持するために休むことなく絶えず働いていて、自律神経をコントロールしています。(監修:健康管理士一般指導員)