- マイライフストーリー2023/11/06 22:33
家族が担う介護で一番多いのが「洗濯」、ストレスは「回数」ではなく「ニオイ」
朝日新聞社が運営するサイト「なかまぁる」のサブブランド「project50s」は今年7~8月、花王「アタック 消臭ストロングジェル」ブランドと共同で、家庭で介護(生活サポート含む)を担う人を対象に「『介護の洗濯』アンケート」を行い(調査期間:7月7日~8月20日、調査主体:朝日新聞社「なかまぁる」・花王「アタック 消臭ストロングジェル」、調査方法:インターネットアンケート ※「なかまぁる」記事の他・Google・Facebook広告等で回答者を募集、調査対象:親や家族の介護や生活サポートをしている配偶者や子世代など、有効回答:627件(人))、11月6日に結果を発表した。その結果、家族が担う介護の中で一番多いのは「洗濯」だった。さらに、この「介護の洗濯」によるストレスの原因は「回数」ではなく、尿臭などの「ニオイ」であることが分かった。
「介護の洗濯」のストレスとしては、「ニオイ」「汚れの処理」「汚れた洗濯ものへの接触」を選んだ人が多くいた。ニオイの除去について、「満足」「どちらかといえば満足」と答えた人は4割にとどまった。
調査は「あなたを悩ませる『介護の洗濯』アンケート」として朝日新聞社がインターネット上で実施。親や家族を介護したり、生活サポートをしたりしている配偶者や子世代などの627人から回答を得た。6割強が働きながら在宅介護や生活サポートを担っており、子世代の負担感の実態が浮かび上がった。
この報告では、要介護認定が「要介護1~5の人の家族」と、「要支援1~2または要介護認定を受けていない人などの家族」を比較した(アンケート回答者のうち、要介護1~5の人の家族が344人、要支援1~2または要介護認定を受けていない人などの家族が283人)。
厚生労働省の「2022年 国民生活基礎調査」によると、高齢社会が進む日本において「要介護者等のいる世帯」は、「核家族世帯」が42.1%で最多となっている。高齢者の中には、老いに伴ってできないことが増えていく人も多く、周囲のサポートが重要になってくる。要介護1~5の人の家族が、在宅介護や生活サポートをする内容で一番多いのが「洗濯」だった。
要介護1~5の人の家族にとって「食事の準備」「洗濯」「通院の付き添い」が3大ストレスとして浮かび上がった。「食事の準備」は「調理、配膳」などを含めて1日3回あり、一定の時間を費やすためとみられる。「洗濯」は生活空間の中で「トイレの失敗」をしてしまい、着替え・掃除・洗濯といったサポートの頻度が増え、つらくなるようだ。「通院の付き添い」は訪問診療を行う医療機関が増えてきたとはいえ、利用者は限られているためとみられる。
ストレスで大きいのは「洗濯物のニオイ」で、続いて「洗濯前の汚れの処理」「尿や便で汚れた洗濯物への接触」だった。特に要介護1~5の人の家族では、「時間」や「回数」を上回っているのが特徴とのこと。洗剤や消臭スプレー、芳香剤など生活空間のニオイ対策にかかわる商品が多く出回っているが、「洗濯物のニオイ」問題が今もなお課題であることが分かる。
ニオイの除去について5段階評価で満足度を聞くと、要介護1~5の人の家族では、「満足」「どちらかといえば満足」は4割にとどまった。また、3人に1人が「どちらともいえない」と回答している。自由回答をみていくと、ニオイの感じ方に個人差があることのほか、慣れ、諦めなどさまざまな要因がありそうだ。ニオイ対策の正解を体感できていないことも関係するのかもしれない。