- マイライフストーリー2024/01/12 20:03
エアコンの「“霜取り運転”を知らない」は67%に
寒い冬、エアコンの暖房が突然止まることがある。暖房が止まってしまうと、せっかく暖まった部屋が冷えてしまうことも。これは、室外機の霜取り運転が理由だが、霜取り運転を知らずにエアコンが故障してしまったと誤解するケースもあるのだとか。そこで今回、パナソニックではエアコンの霜取り運転と雪対策についてアンケート調査を実施した(調査地域:全国、調査期間:2023年11月28日~11月29日、調査方法:インターネット調査、調査対象:20~60代の男女、有効回答:553名(男性:278名、女性:275名)、パナソニック「エオリア」調べ)。
パナソニックは、20代~60代の男女553名に霜取り運転とエアコンの雪対策について調査を行った。
はじめに霜取り運転の認知度を調べたところ、「聞いたことがあり、内容も知っている」は34%にとどまり、「聞いたことはあるが、内容は知らない」(38%)、「聞いたことはない」(29%)と、実に67%の人が霜取り運転を知らないことが明らかになった。
霜取り運転の内容を改めて理解した上で、これまでに霜取り運転と知らずに、冬にエアコンが突然止まっていると誤解した経験があるかたずねたところ、「ある」(23%)と約4人に1人が霜取り運転を知らずに誤解した経験があると回答した。
また、その際に約9割が「運転」や「入」ボタンを押して、運転再開を試みた経験があることもわかった。
冬のエアコンで気になるのが雪対策。積雪地域に住む人に、「雪の日に、エアコン室外機の雪対策を実施しているか?」とたずねたところ、「全く行っていない」(39%)と、約4割の人が雪対策を行っていないと回答した。続いて、雪予報が出た際など「雪が降る前」(33%)、「室外機設置時」(23%)、「雪が降った後」(22%)と続く結果になった。
多くの人が理解していない「霜取り運転」。また、積雪地域であっても実施している人の少ないエアコンの雪対策。今回、霜取り運転や冬本番に気をつけたいエアコンの雪対策を、パナソニックのエアーマイスターの福田風子氏が解説している。
霜取り運転とは、屋外の温度が低く湿度が高いときに、室外機に霜がつくことがある。霜がつくと、エアコンの性能が低下して、暖房がきかなくなるため、霜を溶かす必要があるという。
霜取り運転は、暖房が室外機の霜を溶かすのに使われている状態だとか。霜取り運転中は部屋を暖めることができないため、暖房運転を一時的に停止。霜取り運転が終わると、自動的に暖房運転を再開する。
霜と聞くと寒い地域もしくは積雪の多い地域などでの出来事かと思われるかもしれないが、-7℃~5.5℃の間が一番霜が付きやすい条件となっており、例えば東京都でも、「室外機に霜が付きやすいとされる温度」になることは珍しいことではないのだとか。
では霜取り運転のとき、室内のエアコンはどうなっているのだろうか。霜取り運転中は室内機側が冷たくなるため、フラップが閉じ気味になり、吹き出し口から温風が出てこないとのこと。
霜取り運転が始まると暖房運転は一時的に停止し、室内機の運転ランプ(緑)が点滅する。その間、上下風向ルーバーは開いたままとなる。霜取り運転は約12分ほどかかるという。霜取り運転が終了すると、室内機の運転ランプ(緑)が点灯に変わり、暖房運転を再開。それまでしばらく待ってほしいとのこと。
霜取り運転の時間と頻度は、使用状況や環境条件によって変動するという。
霜取り運転の時間を短縮するために直接霜を溶かしたくなるが、水やお湯をかけるのは止めてほしいとのこと。再凍結の恐れがあるほか、熱交換器の劣化や電子部品の故障につながるという。
また霜取り運転中に室外機から水や水蒸気が出ることがあるが、これは熱交換器から出たもので異常ではないのだとか。安心してほしいという。
霜取り運転時にはブシュー、ボコボコと音がすることがあるが、これは故障ではないとのこと。この音はエアコンの内部に入っている冷媒の流れが切り替わった時に発生するという。
あまりにも霜取り運転の回数が多く、頻繁にエアコンが止まってしまうという場合には、設定温度を1~2℃ほど低くするのも一つの方法とのこと。設定温度を下げると、熱交換器への負担が減り、結果霜取り運転の回数が少なくなる場合がある。
また、通常時から大切なポイントだが、室外機の周りは常にキレイに。室外機の前を30cmは空けるようにしよう。
霜取り運転中にも暖房が止まらない機能が付いているエアコンもあるとのこと。霜取り運転が頻繁に起き、室温が下がって困るという人は、このような機能にも注目してエアコン選びをしてみてほしいという。
さらに、寒い地域や積雪の多い地域では、暖房能力や霜取り対策を強化したエアコンを選ぶようにするとよいそうです。
なお、大雪時の具体的な対策を、大雪が降る前と降ったあとに分けて解説。
室外機の周りは常にキレイに。室外機の前を30cmは空けるようにしよう。大雪の予報が出ているときは、室外機の周りが物でふさがれていないか、雪が降る前に確認しておくように。一般的な室外機には、前面に吹き出し口、側面と背面に吸い込み口がついている。空気の通り道がふさがれていると、特に寒い日にはエアコンの運転が止まったり、普段の暖房効率も落ちてしまう。日頃から室外機の周りは片付けておくことが大事だとか。
また、室外機が雪に埋もれると、外気を吸い込むことができなくなり運転できなくなる。特に雪が多く降る地方では、しっかりとした対策が必要だとか。置台などを利用して雪で埋もれない高さまで上げたり、吸い込み口と吹き出し口に防雪部材を設置するなどして、いざというときに備えよう。
もしも大雪が降ったら、室外機の周りに雪が積もらないように注意しよう。室外機が雪に覆われてしまうと、内部に雪が吸い込まれファンに付着する。空気が通りにくくなるので、運転効率が低下してしまうこともあるという。大雪に見舞われた際には、吸い込んで吹き出す空気の通り道を確保するため、側面や背面含め30cmほど室外機の周りの雪を取り除く。また、落下や崩れることで、吸い込み口や吹き出し口をふさいでしまう可能性があるので、室外機の上に積もった雪も取り除く。なお、掃除の際は、安全のため、エアコンの電源をオフにし、掃除完了後、再度電源を入れるようにしてほしいという。