人生設計は80歳位まで(平均寿命程度)で健康が最大の心配ごとに

NTTデータ経営研究所は、人生100年時代における次世代シニアの介護に関する意識を調査するため、日本国内の50代~80代の男女2000人を対象にアンケート調査を実施し、その結果をまとめた(調査方法:非公開型インターネットアンケート、調査期間:3月7日~8日、有効回答者数:2000人(50代、60代、70代、80代以降の年代毎に500人、男女比1:1)。

調査対象者が人生設計を考えているのは、平均寿命である80代まで(全体の35.9%)が最も多く、最大の心配事は「健康」(72.1%)で、次に「お金」(48.8%)、「介護」(41.8%)となった。身体的能力の衰えに対する懸念(脚力、視力、聴力)に加え、「物忘れ」(61.4%)への懸念も大きく、認知症も意識されている。

今後高齢者の増加にともない、介護サービスを提供する人材が大きく不足する見込みであることを知っている人は、88.1%である。多くの人がこの問題について認識している。

「自分に介護が必要になったときの考え方に近いもの」について、できるだけ公共のサービスを活用したいと回答したのは49.8%、家族や身内で完結したいと回答したのは17.6%にとどまった。民間のサービスも含めて利用したいという回答は25.7%あった。特に、50代~70代で民間サービスを利用したい層が約3割いることが明らかとなった。一方、できるだけ友人・知人とも助け合って暮らしたいという回答はわずか7.0%であった。

将来、介護が必要となった場合、介護ロボット(見守りセンサー、移動介助ロボット、コミュニケーションロボット、入浴介助ロボット、食事介助ロボット)を利用したいかとの問いに対しては、総じて利用したい割合が3割程度、利用したくない割合は1割程度にとどまった。介護ロボットを利用したい理由として、いずれの機器でも介護者・家族の負担軽減が期待できるとの割合が最も多く、利用したいと回答した割合が最も高いのは見守りセンサー(44.4%)であった。一方で、「プライバシー」を理由に利用したくないと回答した割合が最も高い介護ロボットも見守りセンサー(26.8%)であった。また、コミュニケーションロボットに対しては対応に柔軟性がなさそう(29.2%)との回答が多かった。

将来、介護が必要となった場合、デイサービスを利用したいと思うのは53.7%(そう思う20.5%、どちらかといえばそう思う33.2%)で、そうは思わない11.5%(どちらかといえばそう思わない6.7%、そう思わない4.8%)を大きく上回る。この傾向は年代が上がるごとに強くなる。デイサービスを利用したい理由は、必要なケア(入浴等)や医療を受けたいから(78.2%)が最も多く、機能訓練(リハビリ)や体力づくり(60.1%)が続いた。

一方で、デイサービスの利用に後ろ向きとなる理由は、他人に干渉されたくない(48.0%)、好きな場所で自由に過ごしたい(44.5%)との回答が多かった。

介護を受ける際に関わる専門家(医師、看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなど)に頼りたいとのは約半数(53.1%)と最も多かった。しかし、ケアプランの作成については自分でケアプランを作成したいと考える人が過半数を占めた。利用するサービスを自分で決めたい(61.6%)、専門家の視点が必要(48.3%)など、サービス選定を専門家任せにせず自らサービス設計に主体的に関与することで、自分の状態に合ったサービスを活用しながら生活していくことへの期待があると考えられる。


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