サカタのタネが収量性・作業性のよい夏用小ネギ「すさまる」を開発

夏用小ネギ「すさまる」

小ネギの夏栽培では、昨今の猛暑・高温の影響による収量や品質の低下という課題があるのだとか。また、小ネギ生産にかかる労力は、出荷調整作業、特に皮むき作業が大半を占め、その多くは手作業で、生産者の作業負担が大きいことも課題となっている。

こうした課題に対し、サカタのタネは、夏の高温期にも強く、収量性と作業効率性に優れた、極濃緑の小ネギ新品種「すさまる」の種子を、営利生産者向けに11月下旬から発売するという。

左:他社品種、右:「すさまる」(膨らみが少ない)

「すさまる」は、高温期でも十分な太さ・重さの青果を収穫でき、生産者の収益性に貢献するほか、高温期の播種でも発芽のそろいがよく、安定した栽培が可能とのこと。根元の葉鞘基部の膨らみが少なく、うす皮がむきやすいため、手作業での皮むき作業効率が非常によい特長があるという。また、極濃緑で葉が肉厚のため、生食での香りのよさはもちろんのこと、調理をしたときの食味のよさなども特長として挙げられる。

小ネギ「すさまる」の営利生産者向け種子の小売価格(すべて税込)は1袋20ml入り385円、1袋2dl入り3520円、1袋1l入り1万7600円。全国の種苗店、JAルートを通じて販売する。

葉鞘基部の膨らみが少なく、外皮がむきやすい

小ネギの全生産工程のうち大半を占める作業が、出荷調整作業だとか。その中でも小ネギの不要な外皮をむいて整える「皮むき作業」は手作業で行われるため、生産現場では外皮のむきやすさが重要視される。「すさまる」は、葉鞘基部の膨らみが少なく、外皮が簡単にむきやすいという特長があるため、作業効率性に優れる。

10本あたりの収量 左:他社品種 59g 右:「すさまる」 80g(2023年9月上旬(静岡県)同社調べ)

小ネギは一般的に1袋100gなど、出荷規格が重さで決まっている。夏の小ネギ生産では青果が細くなりやすく、その結果、重量が出にくいことが課題だという。「すさまる」は高温期でも十分な太さ・重さで生育するため、単位面積あたりの出荷袋数が多くなり、生産者の収入増に貢献する。また、収量性がよいため、1袋あたりの詰め数が少なくなり、袋詰め作業の効率も上がり、労力削減にもつながる。


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