- Cosme&Beauty2023/04/25 22:18
富士経済、スキンケア化粧品・フレグランスの国内市場調査、2023年市場見込はオードパルファン・オードトワレが344億円に
総合マーケティングビジネスの富士経済は、消費者の外出機会が徐々に増えているほか、日本の渡航制限緩和に伴うインバウンド需要回復が期待される化粧品市場を4回に分けて調査する。第一回目の調査では、マスクで隠れていたパーツのケア需要が高まるスキンケア化粧品と、外出機会の増加に伴い使用機会が増えているフレグランスの国内市場を調査し、その結果を「化粧品マーケティング要覧 2023 No.1」にまとめた。トピックスとして、2023年市場見込(2022年比)では、消費者のフレグランスに対する関心の高まりを受けて、大きく伸長したオードパルファン・オードトワレが344億円(9.6%増)と予測する。マスクを外す機会が増えることから、マスクで隠れていたパーツのケア需要が増加した美容液は2406億円(3.2%増)を見込んでいる。
スキンケア化粧品の2022年は、消費者の外出機会が徐々に増加し、来店が増えたことで百貨店や量販店などの回復が進んだ。特に、百貨店は前年比4%を超える伸びとなった。また、マスクの着用が長期にわたったことで毛穴目立ちや色素沈着、フェイスラインのゆるみなどの肌トラブルが発生し、肌悩みに対応した配合成分や機能への志向が高まったほか、ナイアシンアミドやビタミンCといった成分が話題となり、それらをテーマとした売り場づくりが活性化したことで需要が喚起され、市場は拡大した。
2023年は、マスクを外す機会が一層増え、ほうれい線などマスクで隠れていたパーツのケア需要が高まるほか、日本の渡航制限が一部緩和されたことからインバウンド需要も回復に向かうとみられ、市場は前年比2.0%増の1兆3,337億円が見込まれる。
フレグランスの2022年は、外出自粛の緩和に伴い百貨店などで、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)流行以前と同水準の販促イベントが実施されたことから、外資系プレステージブランドなどで需要回復がみられた。特に、オードパルファン・オードトワレではフレグランスへの関心が高い消費者を中心にメゾンフレグランスのロングセラーブランドが需要を獲得したことにより、市場は拡大した。
2023年は、新型コロナ流行に落ち着きがみられることから外出機会が増加し、百貨店やメーカー直営店の本格的な回復が期待される。また、フレグランスへの関心が高い層において香りによる自己表現ニーズが高まっているほか、SNSなどの口コミが新規顧客の獲得に繋がるなど、市場は前年比8.6%増の482億円が見込まれる。
オードパルファン・オードトワレ(フレグランス)の2022年は、外出自粛の緩和に伴い百貨店を中心に販促イベントが再開したことから、定番ブランドをはじめとして限定品の小容量タイプやフレグランスアイテムを複数セットにしたコフレの投入が相次ぎ、フレグランス初心者を取り込んだほか、ニッチフレグランスの認知度が急上昇した。また、高価格帯のメゾンフレグランスブランドがSNSなどをきっかけに認知度を高めたことで、市場は前年比二桁増となった。
2023年は、外資系プレステージブランドをはじめ積極的な商品展開が続いており、メゾンフレグランスブランドで高級感のある香調が人気を集めるなど、消費者のフレグランスに対する関心の高まりを受けて市場は前年比9.6%増の344億円が見込まれ、新型コロナ流行以前である2019年の水準を超えるとみられる。
美容液(スキンケア化粧品)の2022年は、徐々に外出機会が増加していることから“おうち美容”の需要が落ち着いたものの、マスクの着用習慣やライトメイクのトレンドは継続したことから、多ステップのスキンケアを志向する需要が依然として高かった。また、美白ニーズも回復したほか、ナイアシンアミドを配合し、シワ改善・シミ予防を訴求した商品が各社から発売されたことで、市場は拡大した。
2023年は、マスクを外す機会が増えることからマスクで隠れていた口元などの部分や顔全体のシワ改善・シミ予防の需要が高まっており、スポットケアからの需要シフトが予想される。また、訴求面でも配合成分のみでなく配合濃度や成分の浸透技術、美容医療に関連するキーワードの採用など多様化しており、一人当たりの購入個数が増加するとみられることから、市場は前年比3.2%増の2406億円が見込まれる。
モイスチャー(スキンケア化粧品)の2022年は、外出自粛の緩和に伴い店頭でのカウンセリングが再開されたほか、オンラインによる情報提供やサービス化が進んだ。また、マスクの着用による肌トラブルのケアなど、多様化する需要を取り込むことで市場は微増となった。
2023年は、マスクを外す機会が増えることから毛穴のたるみや開き、ニキビ、肌荒れといった肌悩みをケアするニーズが高まるほか、顔全体のシミ予防やシワ改善、敏感肌を訴求したモイスチャーは高い需要を維持し、市場は前年比1.5%増の3003億円が見込まれる。
[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]1月~3月
[小売価格]
書籍版:14万3000円
書籍/PDF+データ版セット:18万7000円
ネットワークパッケージ版:28万6000円
(すべて税込)